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恋の短歌 70首 一覧 – 口語訳付き|切ない恋、忍ぶ恋、片思いなど

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恋の短歌 70首 一覧 - 口語訳付き|切ない恋、忍ぶ恋、片思いなど 美しい言葉
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我を待つと君がぬれけむあしひきの 山のしづくにならましものを

【作者】石川郎女(いしかわのいらつめ)・万葉集
【意味】私を待っていて濡らした雫ように、私も雫になってあなたに寄り添いたいものです。

 

古りにし嫗にしてやかくばかり 恋に沈まぬ手童(わらは)のごと

【作者】石川郎女・万葉集
【意味】年老いた私があなたに恋をして、まるで子供のように恋にうつつをぬかしています。

 

もの思へば 沢の蛍も わが身より あくがれ出づる たまかとぞ思ふ

【作者】和泉式部
【意味】思い悩んでいると、この水辺を飛びかう蛍も、私の体から出た魂かと思ってしまいます。

 

ありつつも君をば待たむうち靡(なび)く わが黒髪に霜の置くまでに

【作者】磐之媛命(いわのひめのみこと)・万葉集
【意味】このまま恋しいあなたを待ちましょう。私の黒髪に霜がおりるまで(白髪になるまで)。

 

秋の田の穂の上霧(き)らふ朝がすみ 何方(いづへ)の方にわが恋ひやまむ

【作者】磐之媛命・万葉集
【意味】秋の朝、稲穂の上に霞がたなびくように、私の恋はあなただけを思ってただよっています。

 

君が行き日長くなりぬ山たづね 迎へか行かむ待ちにか待たむ

【作者】磐之媛命・万葉集
【意味】あなたが私のもとを去って長い日が経ちました。貴方のおられる山奥まで訪ねて行きましょうか、お帰りをひたすら待ちましょうか。

 

かくばかり恋ひつつあらずは高山の 磐根し枕(ま)きて死なましものを

【作者】磐之媛命・万葉集
【意味】恋い慕っている苦しさに耐えるより、高い山の岩を枕にして死んだほうが良いくらいです。

 

我が背子と二人見ませばいくばくか この降る雪の嬉しからまし

【作者】光明皇后(こうみょうこうごう)・万葉集
【意味】夫のあなたと一緒に見れば、この雪景色も嬉しいと思うでしょう。

 

黒髪の みだれもしらず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき

【作者】和泉式部
【意味】黒髪が乱れているのに気がつかず横たわっていると初めてこの髪をかき撫でてくれた人が恋しくて仕方がない。

あらざらむ この世のほか 思ひ出に いまひとたびのあふこともがな

【作者】和泉式部
【意味】私はこの世からいなくなります。だからこの世の思い出として、もう一度あなたに会いたい。

 

桐の葉も 踏み分けがたく なりにけり かならず人を 待つとなけれど

【作者】式子内親王
【意味】桐の落葉が積もり、通りにくくなるほどになってしまった。必ずしも、人を待っているというわけではないのですが。

 

君に恋ひ甚(いた)も術なみ楢山の 小松が下に立ち嘆くかも

【作者】笠女郎(かさのいらつめ)・万葉集
【意味】あなたが恋しくてたまらず、楢山の松の木の下に立って嘆き続けました。

 

陸奥の真野の草原遠けども 面影にして見ゆとふものを

【作者】笠女郎・万葉集
【意味】あなたは遠い陸奥の真野の草原ように遠いけれども、面影として私にはありありと見えます。

 

白鳥の飛羽山松の待ちつつぞ わが恋ひわたるこの月のころを

【作者】笠女郎・万葉集
【意味】白鳥の飛ぶ羽山の松のように、あなたに会えるのをずっと待っています。

 

我が命の全けむかぎり忘れめや いや日に異には念ひ益すとも

【作者】笠女郎・万葉集
【意味】私の生命がある限り、貴方のことは忘れません。日に日に思いが増すことはあっても。

 

朝霧のおほに相見し人ゆえに 命死ぬべく恋ひ渡るかも

【作者】笠女郎・万葉集
【意味】朝霧の中でお目にかかったあなたに、私は死にそうなほどの思いで、ずっと恋をし続けています。

 

伊勢の海の磯もとどろに寄する浪 恐(かしこ)き人に恋ひ渡るかも

【作者】笠女郎・万葉集
【意味】伊勢の海に打ち寄せる怒涛のように、そんな身も竦むほどの勿体ないお方に、私はずっと恋し続けています。

 

なにとなく 君に待たるる ここちして 出(い)でし花野の 夕月夜(ゆうづくよ)かな

【作者】与謝野晶子
【意味】何となくあなたが待ってるような気がして、月の美しい夕暮れに、花の咲き乱れる野原にやって来てしまいました。

 

君が行く道のなが路(て)を繰り畳ね 焼きほろぼさむ天の火もがも

【作者】狭野弟上娘子・万葉集
【意味】あなたが行く長い道を引き寄せ、畳んで、焼き尽くす天の火がほしい。

 

小百合さく 小草(おぐさ)がなかに 君まてば 野末にほひて 虹あらはれぬ

【作者】与謝野晶子
【意味】小百合の花が咲いている野原で、あなたを待っていると、野のはて美しく輝いて虹が出てきました。

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