結婚式や入学、お見舞い、葬式で避けなければいけない言葉を『忌み言葉』といいます。
おめでたい席での縁起の悪い言葉や葬儀やお悔やみの場で不幸が続くことや死を連想させるような言葉のことで、これらの言葉はそれぞれのシーンで使わないように気をつけなければいけません。日本らしいマナーの一つとも言えますし、相手への気遣いとも言えます。
ここではこれら「忌み言葉」と「重ね言葉」を一覧で紹介していますので、うっかり使ってしまわないように予めチェックしておきましょう。
忌み言葉 一覧
忌み言葉の使用を避けるシーンは、以下のようなものになります。
結婚祝い
妊娠(懐妊)・出産祝い
新築祝い・引越し祝い
開店祝い・開業祝い
お見舞い(災害見舞い)
お悔やみ(お通夜・葬儀・告別式)
法事・法要(初七日や四十九日)
あ行
【あ】
- あせる
- 哀れ
- 慌ただしい
- 浅い
- 炙り(炙る)
- 焦る(あせる)
- 煙り
- 相次いで
- 相次ぎ
- 褪せる
- 赤・緋 (あか)
- 赤点
- 飽きる
【い】
- いじめ
- いとま
- 忌み
- 忙しい(漢字に「亡」の字が入っている)
- 生きていた頃
- 生きる
- 痛々しい
- 痛い
- 痛ましい
- 痛み
- 色あせる
- 逝く
【う】
- うれえる
- 失う
- 憂い(うれい)
- 浮かばれない
- 疎んじる(うとんじる)
- 移る
- 薄い(うすい)
- 薄れる
【え】
- 延々と
【お】
- おしまい
- お釈迦
- 折れる
- 終える
- 終わり
- 終わりに
- 終わる
- 落ちる
- 衰える
- 追う
- 追って
- 降りる
か行
【か】
- かつまた
- カットする
- 傾く
- 変わる
- 帰す
- 帰る
- 悲しい
- 悲しむ
- 枯れる
- 欠ける
- 返す
- 返る
- 重なる
- 重ねて
- 重ねる
- 頑固
【き】
- 傷つく
- 切る
- 切れる
- 刻む
- 効かない
- 去年
- 嫌い
- 嫌う
- 帰す
- 急死
- 拒否
- 消える
【く】
- 九(苦を連想させる)
- 崩す
- 崩れる
- 括り
- 括る
- 朽ちる
- 繰り返す
- 苦しい
- 苦しむ
- 苦労
【け】
- 消す
- 喧嘩
- 怪我
- 煙
【こ】
- ご多忙
- ご存命中
- ご無沙汰
- ご生存中
- 今度
- 今度こそ
- 壊す
- 壊れる(こわれる)
- 断る
- 殺す
さ行
【さ】
- さびれる
- さらに
- 倒
- 再三
- 再三再四
- 再会
- 再出発
- 再婚
- 再度
- 冷める(さめる)
- 去る
- 寂しい
- 寂れる(さびれる)
- 更に
- 最後
- 桜が散る季節
- 淋しい
- 災害など
- 裂く
- 裂ける
- 錆びる
【し】
- しつこい
- しなびる
- しめやかに
- シクラメン
- シネマ
- 七転八倒
- 事故
- 四苦八苦
- 四(死を連想させる)
- 塩
- 死
- 死ぬ
- 死亡
- 死去
- 終う・仕舞う(しまう)
- 自殺
- 退く
- 閉まる
【す】
- 捨てる
- 滑る(すべる)
- すり箱
- すり鉢
- スルメ
【せ】
- 生存中
- 生存
【そ】
- 僧
- 存命
- 疎遠
- 葬儀
- 葬式
た行
【た】
- たれる
- だめ
- ダメになる
- 倒れる
- 出す
- 大切
- 大変
- 断つ
- 絶える
- 耐える
- 頼りない
【ち】
- 中止
- 中途半端
- 散る(ちる)
- 縮まる
- 血
【つ】
- つぶれる
- つまづく
- つらい
- 尽きる
- 次
- 次に
- 潰れる(つぶれる)
- 疲れた
- 続いて
- 続く
- 詰まる
- 辛い(つらい)
【て】
- 出る
- ではまた
【と】
- とんだこと
- とんでもない
- 倒産
- 取り消す
- 取る
- 度々(たびたび)
- 弔う
- 撮る
- 時々
- 途切れる
- 途絶える
- 閉じる
- 飛ぶ
な行
【な】
- 梨(なし)
- なお
- なおまた
- なおも
- 亡くなる
- 何度も
- 尚
- 悩む
- 治らない
- 泣く
- 流す
- 流れる
- 涙
- 無くす
- 無くなる
- 無し
- 猶(なお)
- 長い
- 長引く
【に】
- 二回
- 二度
- 二度と
- 二度三度
- 逃げる
【ぬ】
–
【ね】
- 寝込む
- 寝付く
- 根付く
- 寝る
【の】
- 残る
は行
【は】
- はるばる
- 放す
- 早い
- 離れて
- 離れる
【ひ】
- ひどい
- 冷える
- 引き続き
- 必死
- 日々
- 火
- 病
- 病気
- 緋色
【ふ】
- 不登校
- 不運
- 再び
- 無事
- 病気
- 降る
【へ】
- 閉会
- 別々
- 減る
- 返事
- 変更
【ほ】
- ほころびる
- ほどける
- 亡ぶ
- 仏
- 仏様
- 滅びる
- 滅ぶ
- 炎(ほのお)
- 葬る
ま行
【ま】
- 曲がる
- 益々(ますます)
- 増々(ますます)
- 負ける
- 迷う
【み】
- 短い
- 見失う
【む】
- 無(む)
- 無効
【め】
–
【も】
- もう一度
- もともと
- もめる
- 戻す
- 戻る
- 燃えた
- 燃える
や行
【や】
- 敗れる
- 焼ける
- 病に倒れる
- 病む
- 破る
- 破れる
- 辞める(やめる)
【ゆ】
–
【よ】
- 弱い
- 弱る
ら行
【ら】
- 楽々
- 落第
【り】
- 離縁
- 離婚
【る】
–
【れ】
–
【ろ】
–
わ行
【わ】
- 分かれる(わかれる)
- 分ける
- 別れる
- 割る
- 割れる
- 忘れる
- 患う
- 悪い
- 我侭(わがまま)
忌み言葉の言い換え 一覧
忌み言葉 | 言い換え |
---|---|
いよいよ | ついに |
お忙しいところ | ご多用のところ |
お返事 | ご一報、ご報告 |
くり返しますが | 先ほども申しましたが |
くれぐれも | どうか |
この言葉を贈ります | この言葉をはなむけといたします |
これにて終了いたします | これにてお開きといたします |
ご存命中 | お元気でいた頃 |
とうとう | これから、ついに |
また | 今一度、並びに、さらに、これからも、改めて |
もう一度 | 今一度、あらためて |
ケーキを切る | ケーキ入刀、ケーキにナイフを入れる |
スタートを切る | スタートラインに立つ |
一時、別れていた時期 | 距離を置いていた時期 |
九(く) | ここのつ |
今日を忘れずに | 今日を心にとどめて |
再び | あらためて、今一度 |
冷える | 温かいうちに |
分ける | 分担する |
別れる | 新たな道を進む、独立する |
去年 | 昨年 |
去年、再会しました | 昨年、久しぶりに会いました |
取る | 手にする |
受験に落ちてしまい | 受験がうまくいかず |
四(し) | よっつ、よん |
壊れる | 形が変わる、変わる、変化する |
嫌い | 得意ではない、好きではない |
子供ができる | 新しい命を授かる |
実家を離れてから | 一人暮らしを始めてから |
寿命が縮まる思いでした | とても驚いてしまいました |
崩れる | 形が変わる、変化する、変わる |
帰る | 帰宅する、帰省する、中座する、失礼する、おいとまする |
引き続き | これからも、さらに |
弱い | 優しさに溢れて |
忘れないでください | 心にとどめてください |
忙しい | ご多用 |
思い切って | いっそのこと |
悲しい | せつない |
戻る | 赴く |
撮る | 撮影する |
料理が冷めないうちに | 料理が温かいうちに |
新たなスタートを切る | スタートラインに立つ、新たに出発する |
日々 | 毎日 |
時々 | たまに |
時が流れる | 時がたつ |
最後に | 結びに |
月日が流れる | 月日が経過する |
本日はお忙しい中 | 本日はご多用の中 |
次 | 後(あと) |
次に | その後、新たに、別の機会に |
死ぬ、亡くなる | 天国にいる、ご逝去する、ご他界 |
死亡 | ご逝去、他界 |
残る | あり余る |
泣く | 涙する、涙がほほを伝う |
浅い | 深くない |
生きていたころ | ご生前、お元気なころ |
生存中 | ご生前、お元気でいらしたころ |
益々(ますます) | 末永く、もっと、さらに |
短い時間ではありますが | つかの間ではございますが |
笑顔の絶えない家庭 | 笑顔に満ちた家庭 |
終える、終わる | お開きにする、ゴール を迎える、結ぶ |
終わり | 結び、お開き |
終わる | お開きにする、ゴールを迎える、結ぶ |
絶えない | いっぱい、満ちる |
続いて | 後ほど、同様に |
繰り返す | 定期的に行う |
職場を離れる | 家庭に入る |
花びらが散る | 花びらが舞う |
薄い | 厚くない |
行く | 伺う |
試合に負けたとき | 試合に勝てなかったとき |
負ける | 勝てない |
辛い | 楽ではない |
辞める | 勤めあげる |
返事 | 一報 |
追って | 後ほど |
連絡が途絶えてしまい | 連絡しない時期があり |
離れる | 新たな道を進む、独立する |
離婚する | 新たな道を進む、独立する |
音楽が流れる | 音楽が聞こえる |
頑固 | 意志が強い |
飽きる | 満足する |
~になってしまう | ~になり |
繰り返す重ね言葉 一覧
- いよいよ
- くれぐれも
- さらに
- しばしば
- ぜひぜひ
- たまたま
- だんだん
- つくづく
- どんどん
- なお
- なおまた
- なかなか
- また
- またまた
- まだまだ
- みるみる
- もう一度
- もともと
- わざわざ
- 二回
- 二度
- 何度も
- 再々
- 再び
- 再三
- 再三再四
- 再度
- 別々
- 度々(たびたび)
- 引き続き
- 日々
- 時々(ときどき)
- 様々(さまざま)
- 次々
- 次に
- 皆々様
- 益々(ますます)
- 続く
- 繰り返す
- 色々(いろいろ)
- 近々
- 返す返す
- 追いかける
- 追って
- 重々
- 重ねがさね
- 重ねる
重ね言葉の言い換え 一覧
重ね言葉 | 言い換え |
---|---|
いよいよ | ついに、さらに、もっと |
いろいろ | 多くの、多彩な、多く |
いろいろな | たくさんの、多くの |
くれぐれも | どうぞ、どうか、あらためて、十分に、よく |
くれぐれもよろしく | 今後ともよろしく |
この言葉を贈ります | この言葉をはなむけといたします |
これにて終了いたします | これにてお開きといたします |
さまざま | 多様、多種多様 |
しばしば | よく、いつも、しげく |
しばしば訪れた場所です | よく訪れた場所です |
ぜひぜひ | ぜひ、ぜひとも |
たまたま | 偶然 |
とうとう | これから、ついに |
どんどん | 積極的に、たっぷり |
益々(ますます) | 末永く、もっと、さらに、一段と、より一層と |
ますますお幸せに | 末永くお幸せに |
ますます精進いたします | 今よりもっと精進いたします |
また | さらに、改めて、今一度、並びに |
またまた | 引き続き |
まだまだ | まだ、もっと、より |
まだまだ未熟者ですが | 今はまだ未熟者ですが |
もう一度 | 今一度、あらためて |
もともと | 元来 |
わざわざ | ありがたく、そのために、特別に |
何度も | 大変多く、頻繁に |
再び | あらためて、今一度 |
再三 | 大変多く、頻繁に |
別々 | 違う道 |
度々(たびたび) | よく、いつも、何度も、幾度も、頻繁に、立てつづけに、もっと、より |
日々 | 毎日 |
時々 | たまに |
次々 | たくさん、ひっきりなしに、順に |
繰り返す | 定期的に行う |
返すがえす | 幾度も、何度も、思い起こせば、後から振り返りますと、本当に |
重々 | ことあるごとに |
重ねて | 加えて、深く |
重ねる | 加える |
重ね重ね | 加えて、深く |
重ね重ねお願いします | 加えてお願いします |
皆々様 | 皆様 |
忌み花
忌み言葉と同様、各行事に飾られる花も行事の内容によっては避けた方がいい花があります。
祝儀の場合は、
- 藤
- 山吹
- すすき(お月見以外)
- けし
- しおん
- ぼけ
- つつじ
- ざくろ
- 菜の花
- 梨
- すもも
- さるすべり(百日紅)
- おみなえし
- あじさい
- 朝顔
- 夕顔
- 鶏頭
- 竜胆
- 金盞花
などは不吉な花とされているので避けましょう。
また、新築の場合、赤い花は、「火を呼ぶ」とされているので避けるようにしましょう。
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