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恋の短歌 70首 一覧 – 口語訳付き|切ない恋、忍ぶ恋、片思いなど

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恋の短歌 70首 一覧 - 口語訳付き|切ない恋、忍ぶ恋、片思いなど 美しい言葉
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さつきまつ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする

【作者】読人知らず・万葉集
【意味】五月の橘の花の香りに、昔の恋人の衣の香を思い出します。

 

いにしへになほ立ちかへる心かな 恋ひしきことにもの忘れせで

いにしへに なほたちかへる こころかな こひしきことに ものわすれせで

【作者】紀貫之・古今集
【意味】戻れないとはわかっていても、それでもなお、昔に立ち返ってしまうこの心。恋しいことというのはわすれないものだ。

 

色もなき心を人にそめしより うつろはむとは思ほえなくに

いろもなき こころをひとに そめしより うつろはむとは おもほへなくに

【作者】紀貫之・古今集
【意味】色などついていない私の心をあの人で染めたときから、私のこの気持ちの色がうつろうように変わっていくなんて思えない。

 

君恋ふる涙しなくは 唐衣むねのあたりは色燃えなまし

きみこふる なみだしなくは からころも むねのあたりは いろもえなまし

【作者】紀貫之・古今集
【意味】あなたが恋しくて流すこの涙がなければ、唐衣の胸のあたりは赤く燃え上がってしまうでしょう。

 

信濃なる 千曲(ちくま)の さざれ石も 君し踏みてば 玉と拾はむ

【作者】東歌
【意味】信濃の千曲川の小さな石も、あなたが踏んだのなら宝石と思って拾いましょう。

多摩川に さらす手作り さらさらに なにそこの児の ここだかなしき

【作者】東歌
【意味】多摩川にさらしている手作りの布のように、どうしてこの娘がは、こんなにも可愛いのだろうか 。

 

見渡せば 向かつ峰の上の 花にほひ 照りて立てるは 愛しき誰が妻

【作者】大伴家持
【意味】見渡すと、向こうの峯に咲く花のように立っているのは、誰の愛しい妻であろうか。

 

明日香河 淵は瀬になる 世なりとも 思ひそめてむ 人は忘れじ

【作者】よみ人知らず
【意味】飛鳥川の淵が瀬になってしまうように、変わりやすい世の中ですが、愛した人を決して忘れたりはしないでしょう。

 

たちかへり泣けども吾は験(しるし)無み 思ひわぶれて寝る夜しぞ多き

【作者】中臣宅守・万葉集
【意味】何度泣いても甲斐がない、あなたを思って悩む夜が多いのです。

 

君がため 惜しからざりし命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

【作者】藤原義孝
【意味】あなたのためなら、命は惜しくないけれどだけれど、今となっては、あなたといつまでも長く一緒にいたいと思うようにりました。

 

色見えで うつろふものは 世の中の 人の心の 花にぞありける

【作者】小野小町
【意味】目に見えずに色あせていくものは、世の中の人の心という花である。

 

われはもや 安見児(やすみこ)得たり 皆人の 得がてにすといふ 安見児得たり

【作者】藤原鎌足
【意味】わたしは安見児を手に入れることができた。人々が皆望んでも決して手に入れることの叶わなかった安見児をわがものとした。

 

忍れど 色に出にけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで

【作者】平兼盛
【意味】そっと忍んできたけれど、顔に出てしまって、「恋でもしているのですか?」と人に聞かれてしまうほどに。

 

結ぶ手の しづくににごる 山の井の あかでも人に 別れぬるかな

【作者】紀貫之
【意味】手ですくった水の滴で濁ってしまう山の井のように、心残りのあるままあの人と別れてしまった。

 

つれづれと 空ぞ見らるる 思ふ人 天降(あまくだ)り来む ものならなくに

【作者】和泉式部
【意味】なんとなく空を眺めている。愛しい人が天から降りてくるわけもないのに。

 

あかねさす紫草野(むらさきの)行き標野(しめの)行き 野守は見ずや君が袖振る

【作者】額田王・万葉集
【意味】あかねさす紫草の咲く野を行き、標野を行きながら、野守が見ているではないだろうか。あなたが私に袖を振るのを。

あしひきの山のしづくに妹待つと 我立ち濡れぬ山のしづくに

【作者】大津皇子(おおつのみこ)・万葉集
【意味】私はあなたを待ち続けて、あしひきの山の雫に濡れてしまった。

 

詫びぬれば 今はた同じ難波なる 身をつくしても逢はむとぞ思ふ

【作者】元吉親王
【意味】こうなったら、何をしても同じこと。難波にある「澪標(みおつくし)」のように、「身を尽くして」でもあなたに逢いたい。

 

忘れじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな

【作者】儀同三司母
【意味】「いつまでも忘れない」と言ったその言葉を、この先も変わらないとは思えません。ですから、そう言ってくれた今日を最後に死んでしまいたいものです。

 

黒髪に白髪交じり老ゆるまで かかる恋にはいまだあはなくに

【作者】大伴坂上郎女・万葉集
【意味】黒髪に白髪が混じって、これほど年寄るまで、こんな恋にはまだ出逢ったことはありませんことよ。

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