いろは47文字に対応した「いろはかるた」は、最も古典的なことわざを使ったかるたで、「色は匂へど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ、有為(うい)の奥山 今日越えて、浅き夢見し酔(ゑ)ひもせず」(涅槃経)という仏教精神を和文で表わしたと 言われる 「いろは歌」 47文字に「京」 を合わせた 48文字を、句の頭において作った短歌のかるたです。
歴史的仮名遣いや字音仮名遣いに必ずしも準拠しているものではありません。ことわざを使っていますが、内容は江戸、京都・大坂など上方、尾張などで異なっており、地方の特色が表れています。
ここでは、伝統的な札の一例として、戸版・大阪版・京都版・尾張版を比較して紹介しています。
いろはかるた 全文一覧 – 江戸版・大阪版・京都版・尾張版 比較表
い
| 江戸 | 犬も歩けば棒にあたる |
|---|---|
| 大阪 | 一を聞いて十を知る |
| 京都 | 一寸先は闇 |
| 尾張 | 一を聞いて十を知る |
ろ
| 江戸 | 論より証拠 |
|---|---|
| 大阪 | 六十の三つ子 |
| 京都 | 論語読みの論語知らず |
| 尾張 | 六十の三つ子 |
は
| 江戸 | 花より団子 |
|---|---|
| 大阪 | 花より団子 |
| 京都 | 針の穴から天井をのぞく |
| 尾張 | 花より団子 |
に
| 江戸 | 憎まれっ子世にはばかる |
|---|---|
| 大阪 | 憎まれっ子神直し |
| 京都 | 二階から目薬 |
| 尾張 | 憎まれっ子頭堅し |
ほ
| 江戸 | 骨折り損のくたびれ儲け |
|---|---|
| 大阪 | 惚れたが因果 |
| 京都 | 仏の顔も三度 |
| 尾張 | 惚れたが因果 |
へ
| 江戸 | 屁をひって尻つぼめ |
|---|---|
| 大阪 | 下手の長談義 |
| 京都 | 下手の長談義 |
| 尾張 | 下手の長談義 |
と
| 江戸 | 年寄りの冷や水 |
|---|---|
| 大阪 | 遠い一家より近い隣 |
| 京都 | 豆腐にかすがい |
| 尾張 | 遠くの一家より近くの隣 |
ち
| 江戸 | ちりも積もれば山となる |
|---|---|
| 大阪 | 地獄の沙汰も金次第 |
| 京都 | 地獄の沙汰も金次第 |
| 尾張 | 地獄の沙汰も金次第 |
り
| 江戸 | 律儀者の子沢山 |
|---|---|
| 大阪 | 綸言汗のごとし |
| 京都 | 綸言汗のごとし |
| 尾張 | 綸言汗のごとし |
ぬ
| 江戸 | 盗人の昼寝 |
|---|---|
| 大阪 | 盗人の昼寝 |
| 京都 | 糠に釘 |
| 尾張 | 盗人の昼寝 |
る
| 江戸 | 瑠璃もはりも照らせば光る |
|---|---|
| 大阪 | 類をもって集まる |
| 京都 | 類をもって集まる |
| 尾張 | 類をもって集まる |
を
| 江戸 | 老いては子に従え |
|---|---|
| 大阪 | 鬼の女房に鬼神 |
| 京都 | 鬼も十八 |
| 尾張 | 鬼の女房に鬼神 |
わ
| 江戸 | 割れ鍋にとじ蓋 |
|---|---|
| 大阪 | 若い時は二度ない |
| 京都 | 笑う門には福来たる |
| 尾張 | 若いときは二度ない |
か
| 江戸 | かったいのかさ怨み |
|---|---|
| 大阪 | かげ裏の豆もはじけ時 |
| 京都 | 蛙のつらに水 |
| 尾張 | 陰うらの豆もはじけ時 |

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