『俺』『僕』『私』『拙者』『某』など日本にはたくさんの自分を示す表現があります。これを一人称といい、話し手自身・書き手自身を指す表現です。ここでは古くから伝わっている一人称の表現から現代で使われている表現まで見やすく一覧にまとめて紹介しています。
日本語の 一人称(自称) 一覧
公的表現の一人称
- わたくし – 私
話し手や書き手が自分自身また自分自身を含む仲間をさす語。丁寧な言い方をするときに使う。
- わたし – 私
話し手や書き手が自分自身また自分自身を含む仲間をさす語。わたくしのくだけた言い方。「わたくし」の「く」が省略された。
私的表現の一人称
- あたし – 私
「わたし」のくだけた表現。主に女性が用いる口語。
- あたくし – 私
「わたくし」のくだけた表現。「あたし」より丁寧な表現。主に女性が用いる。
- あたい – 私
「あたし」のさらにくだけた表現。
- わし – 儂・私
「わたくし」の省略形。年輩の男性が用いる事が多い。
- おれ – 俺・己・乃公
多く男性に使用されている一人称。鎌倉時代までは二人称として使われた。江戸時代には貴賎男女を問わず幅広く使われた。
- おら – 俺ら
主に男性が用いる一人称。関東地方以北で使われる。
- おれさま – 俺様
「俺」を高慢にした表現。実際に自称として用いられる事は少ない。
- おいら – 俺等・己等
主に男性が用いる一人称。
- おれっち
「俺」の変型で江戸っ子言葉。
- じぶん – 自分
話し手や書き手が自分自身をさす語。話し手自身を指す言葉。昔の軍人・警官やいわゆる体育会系の男性がよく使用する。
- ぼく – 僕
男性が自分自身を指す語。フォーマルな場での使用も許容される。
- おい
九州地方の男性が使う一人称。
- おいどん
九州地方の男性が使う一人称。
- うら
北陸方言(福井県、石川県など)方言で主に男性が使う一人称。
- ぼくちゃん、ぼくちん
主に男性が使用する。かわいこぶったり、ふざけたりして使う。
- わ、わー – 我・吾
古代からあった日本語の一人称。わたし。われ。あ。おのれ。
- わえ – 我・吾
近畿地方で用いる表現。
- わて
近世末期以降の近畿地方で用いる表現。落語の世界や高齢層で使われる。
- わい
「わし」がくだけたもの。主に男性が用いる一人称。
- こち – 此方
一人称。私。私ども。
- こっち – 此方
「こちら」のくだけた言い方。一人称。自分。わたし。自分の側。
- こちら – 此方
一人称。話し手の側と相手の側とに分けた上で、話し手の側であることを強く意識していう語。自分の側。当方。「こっち」よりやや丁寧な一人称。
- うち – 内
関男女関係なく用いられるが、女性や子供が多く使う一人称。自分。わたし。
- おりゃあ、ぼかぁ、わたしゃ、あたしゃ、わしゃあ、おらぁ
一人称 +「は」を崩した表現で「ゃあ」「ゃ」「ぁ」を既成の一人称につけ足す表現がある。
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