日本語というのはとても複雑で、よく聞く言葉でもその用法が間違っていることが多々あります。知らず識らずに使っていると恥をかくことがあるかもしれません。そこで、ここではよく使われている言葉の中から「意味を間違えやすい言葉」、「本来の意味と違う言葉」正しい意味と誤りを紹介していきます。
間違って使っている日本語100選 一覧
1 【一姫二太郎】
◯ 最初の子が女の子、次が男の子
✕ 女の子1人、男の子2人
2 【徐に(おもむろに)】
◯ 動き方が落ち着いているさま。
✕ 不意に。唐突に。急いで。
3 【下世話(げせわ)】
◯ 俗世間で人々がよく口にする噂話。
✕ 下品な話。
4 【辛党(からとう)】
◯ 甘いものよりお酒が好きな人。
✕ 辛いものが好きな人。
5 【姑息(こそく)】
◯ 間に合わせに物事をする。その場しのぎ。
✕ 卑怯。
6 【知恵熱(ちえねつ)】
◯ 乳児に見られる突発的な発熱
✕ 頭を使いすぎて出た発熱
7 【あっけらかん】
◯ 事の成り行きに驚いて、口を開けてぼんやりしている様子
✕ 何が起きても平然としている様子
8 【爆笑する】
◯ 大勢の人が一度に笑う
✕ 大笑いする
9 【すべからく】
◯ 当然。なすべきこと。
✕ すべて
10 【光年】
◯ 距離の単位
✕ 長い時間
11 【浮き足立つ】
◯ 不安で落ち着かなくなる
✕ 浮かれて落ち着かなくなる
12 【逆鱗に触れる】
◯ 目上の人を怒らせる
✕ ただ単に怒らせる
13 【ジンクス】
◯ 縁起が悪いとされている物事
✕ 良し悪しにかかわらず縁起をかつぐ対象とする物事
14 【煮え湯を飲ませる】
◯ 信頼していた人物を裏切る
✕ ひどい目に合わせる
15 【放射能(ほうしゃのう)】
◯ 放射線が放出される能力・性質。
✕ 放射性物質。放射線。
16 【十指に余る(じっしにあまる)】
◯ 両手の指では数え切れない。
✕ 10未満の数。
17 【閑話休題(かんわきゅうだい)】
◯ 余談をやめて、話を本筋へ戻す。それはさておき。
✕ これからの話は余談だが
18 【王道(おうどう)】
◯ 安易なやり方
✕ 定石通りのやり方。正攻法。
19 【いそいそ】
◯ 嬉しい事などで心をはずませて動作する様子
✕ せわしない様子。こそこそとした様子。
20 【御の字(おんのじ)】
◯ 非常にありがたいこと
✕ 一応は納得はできる状態
21 【噴飯物(ふんぱんもの)】
◯ 思わず噴き出してしまうほどおかしな行為・発言
✕ 腹立たしい行為・発言
22 【リベンジ】
◯ 復讐、報復
✕ 雪辱、借りを返す
23 【天地無用】
◯ 上下逆さまにしてはいけない
✕ 上下逆さまにしてもよい
24 【たそがれる】
◯ 日が暮れて暗くなる、盛りを過ぎる
✕ 物思いにふける
25 【リストラ】
◯ 構造改革、事業の再構築
✕ 人員解雇
26 【悪運が強い】
◯ 悪いことをしてもその報いを受けない
✕ 運の悪い事態に遭っても被害を受けない
27 【断末魔】
◯ 死の間際
✕ 死の間際にあげる悲鳴
28 【小春日和】
◯ 晩秋~初冬のときの春のような温かい気候
✕ 春の訪れを感じる様子
29 【号泣】
◯ 大声で泣く
✕ 激しく泣く
30 【奇特な】
◯ 人並み優れた、感心な
✕ 奇妙な、変な
31 【まんじりともしない】
◯ 一睡もしない
✕ 全く動かない
32 【煮詰まる】
◯ 検討が進み、結論が出せる状態に近づくこと
✕ 行き詰まる
33 【姑息な】
◯ その場しのぎの
✕ 卑怯な
34 【役不足】
◯ 自分の力に対して役が不足している
✕ 役に対して自分の力が不足している
35 【なし崩し】
◯ 少しずつ順番に
✕ 曖昧なまま、なんとなく
36 【圧巻】
◯ 作品などにおいて最も優れているところ、その集団で最も優れている人や物
✕ 圧倒的に相手を押さえつけること
37 【更迭】
◯ ある地位に就いている人を別の人と変えること
✕ 不祥事や過失により、ある地位に就いている人を辞めさせること
38 【斜に構える】
◯ 改まった態度を取る、礼儀正しく身構える
✕ ひねくれる、素直ではない言動や態度
39 【募金】
◯ 寄付をつのる
✕ 寄付する
40 【失笑】
◯ 思わず吹き出してしまうこと
✕ 呆れてしまうこと笑うこと。冷笑。嘲笑。
41 【檄を飛ばす(げきをとばす)】
◯ 同意を求める。
✕ 頑張るよう活気づける
42 【気が置けない】
◯ 気配りや遠慮をしなくていいほどに親密であるさま
✕ 気配りや遠慮をする必要がある
43 【雨後の筍(うごのたけのこ)】
◯ 似たような物事が次々と現れ出ること
✕ 早い成長
44 【紐解く】
◯ 書物を読む
✕ 謎などを解明する
45 【モラルハザード】
◯ 「まあいいや」という考えにより、リスク回避や注意義務を怠ってしまうこと
✕ 倫理観や道徳的節度がなくなり、社会的な責任を果たさないこと
46 【琴線に触れる】
◯ 感動する、感銘を受ける
✕ 怒りを買う
47 【気の置けない人】
◯ 気を遣う必要の無い人
✕ 気をゆすることができない人, 油断のならない人
48 【悪びれる】
◯ 自分のした行為を悪いと思う
✕ 悪事を働いても悪いと思わない態度
49 【あわや】
◯ もう少しで危難が起こりそうなさま、危うく
✕ もう少しで、あと一歩で
50 【やおら】
◯ ゆっくりと
✕ 突然、急に
51 【穿った見方(うがったみかた)】
◯ うまく本質をついた見方
✕ ひねくれた見方
52 【破天荒】
◯ 誰も成し遂げたことがないことを初めて行うこと
✕ 豪胆で気概にあふれている、型破りな様子
53 【元旦】
◯ 1月1日の朝
✕ 1月1日
54 【課金】
◯ 利用料金を徴収すること
✕ 利用料金を支払うこと
55 【手をこまねく】
◯ 行動を起こすべき時に何もせずにいる
✕ 準備して待ち構える
56 【ユニーク】
◯ 独特な
✕ 面白い
57 【ハッカー】
◯ コンピュータなどの情報技術に精通した人物
✕ コンピュータを使用した犯罪を行う人物
58 【傍証(ぼうしょう)】
◯ 直接、証明している訳ではない証拠
✕ ある程度認められている証拠
59 【弥が上に(いやがうえに)】
◯ なおその上に。ますます。
✕ 無理矢理にでも。「嫌が上に」は間違い。
60 【乱入する】
◯ 多くの人が一気に押し入る
✕ 乱暴に押し入る
61 【潮時】
◯ ちょうどよい時期
✕ 物事の終わり、限界
62 【アダルトチルドレン】
◯ 機能不全家庭に育ったため家庭内トラウマ(心的外傷)によって傷つき、そしておとなになった人
✕ 子供っぽい大人のこと
63 【大喜利】
◯ 寄席演芸の出演者たちが本公演後に行う余興
✕ 問答のこと。(「笑点」など)
64 【嘯く(うそぶく)】
◯ 平然として言う。強がりをいう。大きいことを言う。
✕ 嘘をついて回る。(「嘘吹く」ではない)
65 【花も恥じらう】
◯ 花でさえも恥ずかしいと感じるほどの美しさ
✕ 恥ずかしがり屋
66 【閲覧する】
◯ 書物・ウェブページなどを調べながら読むこと
✕ 芸術作品や動画などを観ること
67 【他山の石】
◯ 参考にするべき他人の失敗
✕ 手本にするべき他人の行為
68 【確信犯】
◯ 思想的が正しいと確信して行う政治犯
✕ 犯罪と分かってて行う人
69 【弱冠】
◯ 男子の20歳(女子や20歳以外には使わない)
✕ 若い年齢を強調する言葉
70 【時を分かたず】
◯ いつも
✕ すぐに
71 【性癖】
◯ 人間の癖や行動の傾向
✕ 性的嗜好
72 【絵に描いたような】
◯ 典型的な状態
✕ 理想、夢想的な
73 【ぞっとしない】
◯ 面白くない、感心しない
✕ 怖くない(ぞっとする、をしない。という誤用)
74 【微妙】
◯ 何とも言えずすばらしいこと
✕ いまいち、良いとは言えない
75 【はんこ】
◯ 印影(印章の跡のこと)
✕ 印鑑、印章
76 【割愛する】
◯ 惜しみながらも捨てたり、省略すること
✕ 必要ないものを省略すること
77 【雨模様】
◯ 雨が降りそうな天気
✕ 雨が降っている様子
78 【憮然】
◯ 失望して呆れる様子、不満な様子
✕ 腹を立てている様子
79 【敷居が高い】
◯ 相手に不義理があり、近寄りがたい
✕ 上品すぎて近寄りがたい、ハードルが高い
80 【ごぼう抜き】
◯ 棒状のものを一気に引き抜くこと。競走で次々と追い抜くこと。
✕ 競走などで一気に数人を追い抜くこと
81 【浮き足立つ(うきあしだつ)】
◯ 恐怖や不安で逃げ腰になる。落ち着きがなくなる。
✕ 楽しくなって落ち着きがなくなる。
82 【他力本願】
◯ 自らの修行によって悟りを開くのではなく、仏の力によって救われること
✕ 自分で努力せず、他人の助けに頼ったり期待したりすること
83 【枯れ木も山のにぎわい】
◯ つまらないものでも、無いよりはましであるということ
✕ つまらないものが立派なものたちのおかげでにぎやかになる
84 【綺羅星のごとく】
◯ 地位の高い人たちが並んでいるようす
✕ キラキラ光る星のように
85 【初老】
◯ 40歳の異称
✕ 60歳前後の異称
86 【流れに棹さす】
◯ 流れに乗じた行為をする
✕ 流れに逆らった行為をする
87 【情けは人のためならず】
◯ 情けをかけるのは人のためにすることではなく、結局は自分のためである
✕ 情けをかけると、その人のためにならない
88 【妄想】
◯ 根拠もない、ありえない想像をすること
✕ あれこれと勝手な想像を膨らませること
89 【悲喜こもごも】
◯ 嬉しさや悲しさを同時に感じること
✕ 喜んでいる人や悲しんでいる人が入り乱れている様子
90 【話のさわり】
◯ 話の要点
✕ 話の最初の部分
91 【世間ずれ】
◯ 世渡りを繰り返して、ずる賢くなっている
✕ 世間一般の考え方と違う
92 【及第点(きゅうだいてん)】
◯ 試験などに合格するのに必要な点数、ギリギリの点数
✕ 合格ラインより上の余裕のある点数
93 【やぶさかではない】
◯ やってもよい、どちらかといえばやりたい
✕ あまりやりたくないがやってもいい
94 【強か(したたか)】
◯ なかなか手ごわいこと
✕ 計算高い、図太い
95 【佳境】
◯ 一番面白い部分や、一番物語が盛り上がる部分
✕ 最後の場面を迎えること
96 【杞憂(きゆう)】
◯ 心配しないでいい事を心配すること。とりこし苦労。
✕ 本当に問題がある時などに心配すること
97 【二つ返事】
◯ すぐに快諾する
✕ 二回目でしぶしぶ承知すること
98 【水菓子】
◯ くだもの
✕ 水ようかんやゼリーなど水分の多い菓子
99 【五月晴(さつきばれ) 】
◯ 六月(陰暦の5月)の梅雨の間の晴れ間
✕ 五月の晴れの日
100 【一時(いっとき)】
◯ おおむね2時間
✕ おおむね1時間
101 【恣意的】
◯ 気ままで自分勝手なさま
✕ 意図的
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