闇と雷を結ぶ外国語表現
夜空や嵐と重なり合う雷の語を集めます。光と影の対比が際立ち、内面の葛藤や緊張感を表す場面にも寄り添います。
- Schwarzer Blitz — シュヴァルツァー・ブリッツ|ドイツ語
黒い稲妻。
重く硬質な響きがあり、暗い空を切り裂く雷光の冷たさが伝わります。夜の嵐や張りつめた空気を描く場面に自然に馴染みます。 - Foudre noire — フードル・ノワール|フランス語
黒い雷。
雷そのものの激しさに、闇の静けさが重なります。荒々しさの中に美しさと不穏さを同時に含む表現です。 - Fulmen tenebrarum — フルメン・テネブラールム|ラテン語
闇の雷。
古典語ならではの重みがあり、光と闇の対立や神的な裁きを思わせます。神話的・象徴的な場面に向いた語です。 - Гром тьмы — グロム・トゥミ|ロシア語
闇の雷鳴。
低く沈んだ響きを持ち、空気そのものが震えるような重さを感じさせます。重苦しい夜や運命的な緊張を帯びた情景に適します。 - Næturþruma — ナイトゥル・スルーマ|アイスランド語
夜の雷。
「夜(nætur)」と「雷鳴(þruma)」が結びついた語で、北方の暗い空と雷音の鋭さが重なります。冷たく澄んだ緊張感が漂います。 - Þruma myrkurs — スルーマ・ミルクルス|アイスランド語
闇の雷鳴。
「myrkur(闇)」の属格を用いた形で、「闇に属する雷」を明確に示します。夜や暗雲に覆われた空の重苦しさを伝える表現です。 - Tonnerre sombre — トネール・ソンブル|フランス語
暗い雷。
「sombre」は光を欠いた暗さを表す形容詞で、雷の音や気配に沈んだ印象を与えます。視覚よりも雰囲気に重きを置いた語です。 - Blitz der Finsternis — ブリッツ・デア・フィンステルニス|ドイツ語
闇の稲妻。
属格構文による表現で、「闇に属する雷光」を意味します。神話的・象徴的な文脈でも破綻しない重厚さがあります。 - Fulmen noctis — フルメン・ノクティス|ラテン語
夜の雷。
「nox(夜)」の属格を用いた古典的な形で、夜空に響く雷を端的に表します。詩的・象徴的表現として使われます。 - Trueno nocturno — トゥルエノ・ノクトゥルノ|スペイン語
夜の雷。
気象表現として自然な構造で、夜間に響く雷鳴をそのまま表します。闇と静けさの中に突然生じる音の対比が際立ちます。
古語・古典語の雷表現(外国語)
古い時代に使われた雷の言葉を扱います。現代語にはない重みがあり、歴史や神話の空気をまとった表現が魅力です。
- Fulgetrum — フルゲトルム|ラテン語
稲妻。
古典文献に見られる語で、神の意志を示す光として扱われました。厳かな雰囲気を持ちます。 - Tonitrus — トニトルス|ラテン語
雷鳴。
音に重きを置いた表現で、空を震わせる響きが伝わります。 - Keraunós — ケラウノス|古代ギリシャ語
雷霆。
神が放つ雷を指し、裁きと威厳の象徴として語られてきました。 - Þórr — ソール|古ノルド語
雷神トール。
雷そのものと神格が重なり、北欧神話の力強さを宿します。 - Mjǫllnir — ミョルニル|古ノルド語
雷神の槌。
雷撃を象徴する武器で、破壊と守護の両面を感じさせます。 - Taranis — タラニス|ガリア語
雷神の名。
ケルト圏で信仰され、雷を天の力として表しました。 - Indra — インドラ|サンスクリット
雷を司る神。
古代インドで守護と勝利を象徴し、雷の力を人格化します。 - Leigong — レイゴン|中国語(古典)
雷公。
雷を裁きの象徴として描く存在で、東アジア的な雷観が反映されています。
詩的に響く雷の外国語
音の流れや余韻を大切にした雷の語を選びます。強さよりも情感が前に出て、詩や静かな文章にもなじみます。
- Distant thunder — ディスタント・サンダー|英語
遠雷。
空の奥で低く鳴る音を指す言い方で、近づいてくる気配や、まだ届かない距離感を含ませられます。 - Muffled thunder — マフルド・サンダー|英語
くぐもった雷鳴。
音が布越しに響くような鈍さがあり、雨や雲に吸われた静かな轟きとして描写できます。 - Heat lightning — ヒート・ライトニング|英語
遠方の稲妻(光は見えるが雷鳴は届きにくい現象)。
水平線の向こうで淡く瞬く光として扱え、夜の余白や遠い出来事の気配を残します。 - Sheet lightning — シート・ライトニング|英語
空を面で照らす稲妻(稲妻そのものが見えにくく、雲が広く光る)。
一瞬の照り返しが世界を薄く染めるような印象になり、静かな驚きに向きます。 - Éclair lointain — エクレール・ロワンタン|フランス語
遠くの稲妻。
遠景に走る光をそのまま言い当てる表現で、切なさや隔たりを素直に載せられます。 - Éclair de chaleur — エクレール・ド・シャルール|フランス語
熱雷(遠方で光だけ見える稲妻)。
「遠い稲妻」を指す定義が明確で、淡い照明のような一瞬を詩的に置けます。 - Éclair de foudre — エクレール・ド・フードル|フランス語
雷光/稲妻。
短く鋭い光の核があり、余韻を残しつつも決定的な“ひと閃き”を描けます。 - Lampo silenzioso — ランポ・シレンツィオーゾ|イタリア語
静かな稲妻(音の描写を抑えた「閃き」)。
「lampo(閃光・稲妻)」を核に、音の不在を添える形で、幻想的な余白を残せます。 - Fulgur sine tonitru — フルグル・シネ・トニトル|ラテン語
雷鳴のない稲妻。
「sine tonitru(雷鳴なし)」という古典的な言い回しが、冷えた静けさの中に一瞬だけ走る光を際立たせます。 - Lysande blixt — リーサンデ・ブリクスト|スウェーデン語
輝く稲妻。
<blixt(稲妻)にlysande(輝く/光る)を重ねた形で、透明感のある光として描きやすい響きです。 - Valonvälähdys — ヴァロンヴァラフデュス|フィンランド語
光の閃き。
稲妻そのものではなく「閃光」を指す語で、雷光を“やさしいひらめき”として置きたい場面に合います。 - Mellt — メルト|ウェールズ語
稲妻/雷光。
短い音で切れ味があり、遠い空の裂け目のような光を、素朴に強く呼び出せます。

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