【回文】短い・おもしろい・長い・すごい回文 一覧

【回文】短い・おもしろい・長い・すごい回文 一覧 雑学
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反対から読んでも同じ文章になる言葉遊び『回分』。簡単な回文、面白い回文、長い回文、英語や単語の回文など色々な回文をまとめてみました。暇つぶし等にどうぞ。

 

簡単な回文・一般的な回文

 

      1. いかを買い
      2. かたみ見たか
      3. この子猫の子
      4. たしかに貸した
      5. だんながなんだ
      6. よき月夜
      7. わたし負けましたわ
      8. イカ食べたかい
      9. ダンスがすんだ
      10. 世の中馬鹿なのよ
      11. 人の問ひ
      12. 仇が来たか
      13. 今朝の酒
      14. 低い杭
      15. 僧の嘘
      16. 出しに出した
      17. 品は無し
      18. 夏まで待つな
      19. 夜居るよ
      20. 妻を待つ
      21. 安い椅子屋
      22. 床(とこ)の間の琴
      23. 悪い鉄柵が腐つているわ
      24. 旦那が何んだ
      25. 田舎の家内
      26. 留守に何する
      27. 留守をする
      28. 痒いいか
      29. 皆花見
      30. 確かに貸した
      31. 磨かぬ鏡
      32. 神鏡(みかがみ)
      33. 私(わし)の皺(しわ)
      34. 空(くう)に浮く
      35. 竹やぶ焼けた
      36. 竹屋が焼けた
      37. 竹山焼けた
      38. 竹抜けた
      39. 良く効くよ
      40. 色白い
      41. 菊の茎
      42. 西が東に
      43. 親しくしたし
      44. 足しました
      45. 足袋(たび)伸びた
      46. 釘が利(き)く
      47. 食いに行く
      48. 飯にお煮しめ
      49. 鯛焼焼いた
      50. 鷹の形
      51. ずるい居留守
      52. 完全か不完全か
      53. 年末つまんね
      54. 痛い敗退
      55. 素手です
      56. 開催地は小さいか
      57. 観客、夜勤か?

 

 

おもしろい回文

 

  • ウナギなう
    (うなぎなう)

 

  • カツラが落下
    (かつらがらっか)

 

  • ダメ男子 モテ期が来ても 死んだ目だ
    (だめだんしもてきがきてもしんだめだ)

 

  • ビキニの子のニキビ
    (びきにのこのにきび)

 

  • リモコンてんこ盛り
    (りもこんてんこもり)

 

  • ロリコン外科医いいかげん懲りろ
    (ろりこんげかいいいかげんこりろ)

 

  • 世の中ね、顔かお金かなのよ
    (よのなかねかおかおかねなのよ)

 

  • 来てもよい頃だろ、来いよモテ期
    (きてもよいころだろこいよもてき)

 

  • 酢豚作りモリモリ食ったブス
    (すぶたつくりもりもりくったぶす)

 

  • 駄目だ、モテても駄目だ
    (だめだもててもだめだ)

 

 

長文の回文

 

  • イタリアで暮らし楽でありたい
    (いたりあでくらしらくでありたい)

 

  • 世界を崩したいなら泣いた雫を活かせ
    (せかいをくずしたいならないたしずくをいかせ)

 

  • 今朝美味しいおでんで美味しいお酒
    (けさおいしいおでんでおいしいおさけ)

 

  • 力士会館前回貸切
    (りきしかいかんぜんかいかしきり)

 

  • 死にたくなるよと夜泣くタニシ
    (しにたくなるよとよるなくたにし)

 

  • 泣いたけど、遠いあの子にこの愛を届けたいな。
    (ないたけどとおいあのこにこのあいおとどけたいな)

 

  • 災難、またもや大火事か、大家も堪んないさ
    (さいなんまたもやおおかじかおおやもたまんないさ)

 

  • 私も「どんな関係?」と問い、喧嘩何度もしたわ。
    (わたしもどんなかんけいとといけんかなんどもしたわ)

 

  • 素でキス出来んほど本気で好きです。
    (すできすできんほどほんきですきです)

 

  • 虹ふたつが、雨あがった富士に
    (にじふたつがあめあがったふじに)

 

 

英語の回文

 

  • Borrow or rob?(借りようか、それとも盗んじゃおうか?)
  • Madam, I’m Adam(マダム、私がアダムです)
  • No lemon no melon(レモンもないし、メロンもない)
  • Step on no pets.(ペットを踏まないで)
  • Was it a rat I saw?(私が見たのはネズミでしょうか?)

 

 

日本一長いと言われているスゴイ回文

■日本語で書かれた史上最長の回文は以下のようなものだそうです。■

 

【噛んで「イテッ!」リップ。ねじ切る蔓,不吉垂れ込めるカビ,黒く実る怪しい端の実…。
やはり、この七人投げられ、私ら刀抱え、この泥沼や、エルフの手で雫を。
血だから、かな り胸に痛み、飛び退く。いざトンネル通過だ。霞かかる道よ。
だけど頑健、この具合が彼怪し。もう勇者が来て、戦さが止まるめど,行く末,未定。
歩き続けた旅。悪との戦い長引くだけ。
「彼等メシアが来て、何とか助けたい、あの娘や叔母」と泣け、私,女子ら悲し。
武器鋼鉄。トラップ!悔し、命縮む。死にかけたシ-フだけが斧も盗った。
悔し涙。一喝。父母ホテルへ住み込み、掛かり切り。絆、戒めた。しかし、外野はすったもんだ。
行き過ぎてる世話。あいにく捨てゼリフやけくそ「古しへよりの言い伝え、疑心暗鬼」と。
スペル唱え威迫。扉無くす彼、菱形の中に馴染み箱を。ひたすら兄貴揺れ、行路禁じる。
行き交うも音断った樹の気。

『秋はとんぼ。洞穴は魚。金のうろこ飛ぶ。似たり寄ったりオカリナ』と、
いつかのお伽噺の、見たか不思議な箱。こんな誘なう夜、男の子を抱かす所の、この意外さ。
田舎だが、し、しかし、あなたっ、まごつくハ-レムの地だ。手がむやみやたら買うとか。
血潮鳴り「矢弾だ!」妻殺しの士、暴君。敵、かたくなに舞い、ものものしい。
なにはともあれ座り、やっと昼飯。石碑。肘鉄か?多湿、先手のドロ水。矢飛びて -】
ここで半分。バテここで一休み。
【ロトの伝説従って、地響きせしめる。一つやり忘れ、
あー、元は担いしの物も今に無く、高き天空《星の城》】困った。またやり直し。地下道からだ。
闇やムカデ達の群れは……くっ、困ったなぁ。しかし仕方がない。再開。
【のこのこと姿を。この期通るような災難。ここは、亡きシ-フ形見の品、
萩と斧が対となり、薫りたつより。谷懐。うー、のんきな風花……あら?
ほ、ほんと!?萩、秋の樹だったと思うが……。消ゆる蜃気楼。これ、雪にあらず。

旅を拒みし何かなのだが…?痺れが!すぐ並び、毒ハイエナ。取るペスト菌。
暗示消えた。つい祈り、呼べ、死に急ぐ。蹴破り背ですぐに居合わせる敵。隙、油断も断つ。
素早いが、しかしダメ-ジ。マイナスぎりぎり。屈み込み、スペルでほぼ復活、痛み無し。
役立つ友のお陰だ。武士だけが滲む血。父の医師、薬物ら取って、動き封じながら、
子、治した訳などは親子の愛だ。「消す!」だが、どんな敵か?
あ、締められかけた首がないか?ただの毒浴びただけ。
突っ切る相手見えず、食い止める魔道が作為的か。野獣?もしや、あれが害悪の根源か?
解けた!予知みる鏡、姿が映る。粘土細工の人みたいに、眠りながら形を崩して…。手の震え止まぬ。
ロトの声が彼方からした。『我ら下男に致死。残りは闇の支配者あるのみ』黒く光る眼。
「これだ!」突き振る剣。「死ね!」】--プツリッ --「停電か……」

 

 

和歌・俳句の回文

 

  • のきさらむ虫の音のしむ紫野
  • 流れ見す野べは川辺のすみれかな
  • 白雪は名へつつめども小野山や 野を求めつつ経ねば消ゆらし
  • 群草に草の名はもしそなはらば なぞしも花の咲くに咲くらむ
  • 長き夜のとをの眠りのみな目ざめ 波のり舟の音のよきかな
  • 名が無きを悔やみ炭焼く翁かな

 

 

その他の和歌・俳句などの古典な回分 1000種類

(カッコ)内は出典等です。

 

    1. いい事を女に難を男いい(種ふくべ、五)
    2. いざただ女難を糺(ただ)さい(毛吹草追加下、南何)
    3. いてる雪春べや減るは消ゆるてい(崑山集)
    4. いなやまひでぞ袖隙(ひま)やない(毛吹草追加下、春日何)
    5. おちこちへもし人連れむ戻り雁友むれつどひしも越後路を(廻文歌百首)
    6. おどらむ狸きぬた村遠(むらとお)(紙屋川水車集、第一)
    7. おひくだすよど川かとよすだく氷魚(ひお)(立圃句集)
    8. かい立つは知らじや知らじ初旅か(紙屋川水車集、第三)
    9. かきし間や羽はしばねば山鴫(しぎ)か(毛吹草追加下、南何)
    10. かくれ里こそそことざれ句か(紙屋川水車集、第一)
    11. かく笛ふきむむぎ笛吹くか(紙屋川水車集、第一)
    12. かけざなお餅もや餅もおなさけか(紙屋川水車集、第二)
    13. かしこきが童(わらわ)ら童垣ごしか(紙屋川水車集、第一)
    14. かしの木のかれ是これか軒の鹿(鹿、崑山集)
    15. かすむ扇子(せむす)かかすむ扇子か(紙屋川水車集、巻軸)
    16. かず和歌の芸望月も作はよは草も木つちも池の蛙(かわず)か(紙屋川水車集、下)
    17. かたきとぞ聞くにもにくきそと来たか(毛吹草追加下、南何)
    18. かたみの太鼓いたのみたか(紙屋川水車集、第五)
    19. きかば音(ね)は鴫(しぎ)かや掻きしはね羽がき(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    20. きし涼むすずみて泉むすぶらう(ふ)すむ水出(い)でみ涼むすずしき(紙屋川水車集、下)
    21. きそきそ来(き)木曾木そぎそぎきそきそ木(紙屋川水車集、第八)
    22. くやしの心九尺(ここのしゃく)
    23. けさのみか蔵昼開く神の酒(崑山集)
    24. けさのめよ春年とるはよめの酒(崑山集)
    25. けさはそとのむこそこむの屠蘇は酒(崑山集)
    26. けふも呑み老いのその日を身の設(もふ)け(三種尺、初・あかねうら)
    27. ことの間よ紙唐紙か四間(よま)の床(紙屋川水車集、第二)
    28. この子やは今来ん来まいはや此の子(紙屋川水車集、第一)
    29. この形見(かたみ)下着にきたし見た鹿の子(新編柳多留、25)
    30. さあ霧 たちに立ちたりき朝(毛吹草追加下、南何)
    31. さがれきもりの糊もきれ傘(世話焼草、五)
    32. さくいろよながくかくかなよろい草(崑山集)
    33. さく数(かづ)は香をとへ十日廿日草(崑山集)
    34. さく時はよろこぶ比よはぎと草(崑山集)
    35. しおり戸も梅(むめ)が眺めむもどり惜し(廻文歌百首)
    36. しきくやむ焼野をのけや無益(むやく)雉子(崑山集)
    37. しごきなやみか髪柳ごし(紙屋川水車集、第九)
    38. しっくりとお家の塀を取崩し(俳諧廻文百韻)
    39. しばしは舞う間舞う間はしばし(毛吹草追加下、南何)
    40. しべなみをよくさき咲くよをみなへし(毛吹草六、廻文之発句)
    41. しべぬれど蜂の巣後はとれぬべし(紙屋川水車集、第一)
    42. しらげの籾(もみ)も芒(のげ)らし(紙屋川水車集、第五)
    43. しらしら霜よ四方白々し(紙屋川水車集、第八)
    44. しらぬきつ御僧(おそう)もうそをつきぬらし(世話焼草、五)
    45. しらぬ身よ哥がらかたう読みぬらし(毛吹草追加下、南何)
    46. しらはぎいかに二階気はらし(はした柴)
    47. しら露つらややら露つらし(毛吹草追加下、春日何)
    48. しら鷺去るか狩る鷺去らじ(毛吹草追加下、春日何)
    49. しるしかは野菊の茎の葉かしるし(俳諧広原海、六)
    50. しろしとも消ゆるなる雪もと白し(廻文歌百首)
    51. しろ稲(しね)よ殻漉(こ)す子らが米(よね)白し(紙屋川水車集、第三)
    52. しろ髪は毎日見るぞ憂かるなる髪剃る道に今は身かろし(吾吟我集10、回文哥)
    53. しわい気や年祝いしと焼鰯(やきいわし)(梅の艶)
    54. じつ辛し咲いて果ていさ白躑躅(しらつつじ)(毛吹草六、廻文之発句)
    55. すきととぼけな鳴け郭公(ほととぎす)(毛吹草追加下、春日何)
    56. すすむればのみず霞のはれむ錫(紙屋川水車集、第一)
    57. すはこの槍の糊は拭(のご)はず(俳諧廻文百韻)
    58. すは花は蓮すは花は蓮(毛吹草追加下、春日何)
    59. すりきり聞くな鳴くきりぎりす(紙屋川水車集、第二)
    60. するのみかきつとぞ十月(とつき)神の留主(るす)(神楽、崑山集)
    61. するのみか垣根の禰宜(ねぎ)か神の留守(毛吹草追加下、春日何)
    62. するのみか貴船にねぶき神の留守(崑山土塵集)
    63. するを待つ苦痛はうづく夫(つま)を留守(新編柳多留、25)
    64. する事をいらつもつらい男留守(新編柳多留、四)
    65. そこの地は貸し似我蜂(にがばち)の子ぞ(廻文俳諧之歌仙)
    66. そちの契(ちぎ)るは春吉日(はるきちにち)ぞ(毛吹草追加下、南何)
    67. たえず肩いたむに無体鷹すえた(紙屋川水車集、第一)
    68. たが見るな月をや興津なるみ潟(鷹筑波、二)
    69. たが髪切るややる君が方(毛吹草追加下、春日何)
    70. たくか味噌夏豆待つなみそか食た(崑山集、附録)
    71. たつたや春は春はや立った(毛吹草追加下、南何)
    72. たつたるは立つたや立つた春立つた(鷹筑波、五・崑山集)
    73. たてぞ出た妻戸門松たてぞ出た(崑山集)
    74. たのみつつ群り刈らん堤の田(崑山集)
    75. たばこのみ起きつつ月を見のこはた(紙屋川水車集、第二)
    76. たばこ畑(はた)花よ葉よ名はたばこ畑(崑山集)
    77. たべ退きか渋しや渋し柿のへた(崑山集)
    78. たまれ又きゆるふる雪たまれまた(崑山集)
    79. たれ惚れた顔か笑顔か誰惚れた(紙屋川水車集、巻軸)
    80. だまし気(げ)な夜鷹姿よ投げ島田(峯の嵐)
    81. つたなや名立つつたなや名立つ(紙屋川水車集、第五)
    82. つたふ鳥羽田は畑はとぶ田鶴(紙屋川水車集、第五)
    83. つつしむか琴をば男感じつつ(紙屋川水車集、第三)
    84. つつめども先づ妻求めつつ(毛吹草追加下、春日何)
    85. つどひ摘む野に名は何の六つ一つ(崑山集)
    86. つどひ来つ景見る三池月ひとつ(崑山集)
    87. つなぎ船淀人一夜ねぶき夏(新編柳多留、10)
    88. つま琴を聞くにぞにくき男待つ
    89. つま籠めい(ひ)長閑な門のひめ小まつ(崑山集)
    90. つれなきを悲しびし中起き馴れつ(毛吹草追加下、南何)
    91. つれなき女難をきなれつ(俳諧廻文百韻)
    92. とくただと里のたかむら雪白し消ゆらむ方のとざしたたくと
    93. とととと寄れよ寄れよとととと(紙屋川水車集、第一)
    94. どちらへか引きつる月日帰らじ(ぢ)と(廻文俳諧之歌仙)
    95. なかぬ蚊のとまつて妻戸のかぬかな(峯の嵐)
    96. なかば咲く雪花はきゆ草葉かな(崑山集)
    97. ながい(ひ)縄車火まるく花火かな(崑山集)
    98. ながきかな春日の昼はながき哉(永日、崑山集)
    99. ながきつた軒這ふは木のたつき哉(崑山集)
    100. ながき日に小猫と小ねこ二疋哉(崑山集)
    101. ながき日の大こんこいだ野引き哉(崑山集)
    102. ながき松折りくべ栗を爪木哉(崑山集)
    103. ながき炭野のおく小野の身すぎ哉(崑山集)
    104. ながき馬場雪掃けば消ゆははき哉(崑山集)
    105. ながくただなづな七つ菜たたく哉(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    106. ながく鳴き鶯ひくう来鳴く哉(紙屋川水車集、第二)
    107. ながす恥質物持ちし師走哉(崑山集)
    108. ながつまを水際(みぎは)に高し一つ松訪ひしかたには君を待つかな
    109. なが月を波にだにみな沖津かな(立圃句集、下)
    110. なふ(のう)地味も備はるは名ぞ紅葉鮒(紙屋川水車集、第八)
    111. ぬり笠かろく黒笠借りぬ(毛吹草追加下、春日何)
    112. ねぶきうき舟ねぶきうき舟(紙屋川水車集、第三)
    113. ねぶささまして出島ささ舟(紙屋川水車集、第八)
    114. ねぶの木あぶななふ秋の舟(紙屋川水車集、第五)
    115. ねぶりさい沖つの月をいさり船(峯の嵐)
    116. ねぶりたくして出し下り舟(毛吹草追加下、春日何)
    117. ねぶりつ乗るは春の釣舟(毛吹草追加下、春日何)
    118. ねぶり釣船ねぶり釣船(紙屋川水車集、第七)
    119. ね臥(ふ)したは節分(せちぶ)や淵瀬渡し舟(紙屋川水車集、巻軸)
    120. のきさらむ萩の葉のきはむらさきの(萩、崑山集)
    121. のくさらむ虫の音のしむ紫野(立圃句集、秋)
    122. のどけきに端折(つまおり)傘の名ばかりか花のさかりを松にきけとの
    123. はや刈るかはかなや半ば刈る萱(かや)は(崑山集)
    124. はらあげる舟なる棚は魚(いお)捕ると追い放たるなねぶる気あらば(藤原隆信朝臣集)
    125. ひが事を咎める眼角(めかど)男甲斐(折句紀の玉川、二)
    126. ひたひた舟荷になふ度たび(はした柴)
    127. ひた月を運ぶぞ畚(ふご)は沖津鯛(だひ)(はした柴)
    128. ひま無(の)うて見ぬこそこぬ身蝶(てふ)の舞(崑山集)
    129. ひら餅もみがかん鏡餅もらひ(紙屋川水車集、第九)
    130. ほかのきつかすみに見ずか月の顔(かほ)(春月、崑山集)
    131. ほととぎす聞かまし籬(まがき)杉戸遠(とほ)(廻文歌百首)
    132. まさしく病むな南無薬師様(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    133. まじれ名は鳥と鵆(ちどり)と離島(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    134. ます文(ふみ)か紙伸(の)すのみか紙ふすま(紙屋川水車集、第二)
    135. まるくを乗るは春の小車(毛吹草追加下、春日何)
    136. みがかん鏡みがかん鏡(紙屋川水車集、巻軸)
    137. みなといくせ稼ぐいとなみ(紙屋川水車集、第五)
    138. みなのぼしつは初塩の波(紙屋川水車集、第一)
    139. みなの川拙き名立つわかの波(峯の嵐)
    140. みな月を友まつ間もと沖つ波(廻文俳諧之歌仙)
    141. みな番を除けいよ池の御花見(崑山集)
    142. みな花はやる水見るや花は浪(紙屋川水車集、第一)
    143. みな花は枯れたに誰か花々見(紙屋川水車集、第五)
    144. むかひてぞ目まぜはせまめ袖引かむ(世話焼草、五)
    145. むべのかじ名は龍田花志賀の辺(崑山集)
    146. むべや窓の梅(むめ)かながめむの苫(とま)や辺(崑山集)
    147. むべ春日鹿よ見よかしかすが辺(崑山集)
    148. むべ竹田はえなん苗は竹田辺(毛吹草追加下、春日何)
    149. むべ野畝(のせ)の白露つらし野せの辺(紙屋川水車集、第三)
    150. むらさきもついやれつつぞ女(おな)の身の猶ぞ襤褸(つづれ)やいつも着ざらむ(狂歌才蔵集、14)
    151. むら草の名は知れぬすらこの庭にのこらずぬれし花の咲くらむ
    152. むら雪に去年(こぞ)の南の草花は咲くのみなみのそこに消ゆらむ(日導作)
    153. むら鳥捕れややれ鳥捕らん(毛吹草追加下、春日何)
    154. めす梅よしよよし嫁娘(紙屋川水車集、第九)
    155. めた打ちし囲碁々石中(ちう)だめ(紙屋川水車集、巻軸)
    156. もいのとやふとやるせなし鐘鳴るな音が仕なせるや問ふ宿の妹(いも)(毛吹草追加下、廻文の狂歌)
    157. もしや消ゆ今朝のこの酒雪や霜(花もん日)
    158. もし野辺の花にや似なば野べの霜(崑山集)
    159. もとのきつ今したしまい月の友(崑山集)
    160. もとの今朝もれた手たれも酒の友(信州万句合集)
    161. もとの名はしれなんなれし花の友(俳諧廻文百韻)
    162. もとの名は変りけり我が花の友(鷹筑波、五・峯の嵐)
    163. もとの名は弓取と見ゆ花の友(海録、三、西行の賛の廻文俳諧という)
    164. もと目はつくな鳴く燕共(世話焼草、五)
    165. やがて見つ日をのべる葉も咲く花は草も春べの老い(ひ)摘みてかや(老摘草、廻文歌百首)
    166. やく山焼くよよく山焼くや(毛吹草追加下、南何)
    167. やしろ宜しや社よろしや(毛吹草追加下、春日何)
    168. やすいあいずややすいあいずや(紙屋川水車集、第五)
    169. やむも身かろく黒髪揉むや(毛吹草追加下、春日何)
    170. やめざるは延びたる旅の春雨や(俳諧廻文百韻)
    171. やら寒や頸根(くびね)舟引くやんさらや(世話焼草、五)
    172. やら殿ひかで手飼の虎や(紙屋川水車集、第二)
    173. やら辛や八重垣かべややらつらや(紙屋川水車集、第七)
    174. やる樽や今朝なんなさけやる樽や(紙屋川水車集、巻軸)
    175. ゆったりと置きつつ月をとりた露(廻文俳諧之歌仙)
    176. よき仲は絶えたり絶えたはかなき世(磯の波)
    177. よき月夜ただ秋あたたよき月よ(崑山集)
    178. よき月夜火縄も花火よき月よ(紙屋川水車集、第七)
    179. よき月夜照つてや照つてよき月夜(崑山集)
    180. よき月月夜よき月月夜(毛吹草追加下、南何)
    181. よき槌(つち)もえいとうといへ(え)望月夜(鷹筑波、二、米つき槌にてもちつくをみて)
    182. よき秋よただただよき秋よ(紙屋川水車集、第三)
    183. よく敷くか畳のみ只かく敷くよ(毛吹草追加下、春日何)
    184. よく説(とか)ふ穿鑿(せんさく)三世不可得よ(紙屋川水車集、第八)
    185. よしほめん花の実の名は梅ぼしよ(崑山集)
    186. よせ風よ鯨あらしくよせ風よ(紙屋川水車集、第一)
    187. よそ皆ははくらく楽は花見ぞよ(俳諧廻文百韻)
    188. よみ色紙見よよみ色紙見よ(紙屋川水車集、第二)
    189. よろこびぞまつ花は妻添ひころよ(崑山集)
    190. よろこびはのびの子日(ねのひ)のはびころよ(紙屋川水車集、第八)
    191. イイ女男のことを難を言イ(柳風狂句合)
    192. サア熨斗(のし)とよろこぶ頃よ年の朝(信州万句合集・新編柳多留、七)
    193. 万里乗り馬まんり乗りむま(紙屋川水車集、巻軸)
    194. 三寸(みき)の名はからつ珍らか花の君(紙屋川水車集、第九)
    195. 下(もと)のきつ白露つらし月の友(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    196. 下の句が摺れしか知れず額(がく)の文字(東宰府天満宮奉額狂句合)
    197. 下の竹田かかたげたのもし(紙屋川水車集、第四)
    198. 下り居待たばや八幡まいりを(廻文俳諧之歌仙)
    199. 下司のよい住居(すまい)にいます伊予の助(紙屋川水車集、巻軸)
    200. 下戸かは色師白い若後家(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    201. 下手下手げすたり句つまる句をおくるまづくりたすけたべたべ(紙屋川水車集、下)
    202. 下紐をはかなき中は思ひ出し(柳風狂句合)
    203. 下紐を解く気をきくと思ひ出し(種ふくべ、五)
    204. 下紐を解けとく解けと思ひ出し(毛吹草追加下、春日何)
    205. 下駄はくな鶯低うなく畑(入舩狂句合・新編柳多留、18)
    206. 世の中はむなしく死なむはかなの世(毛吹草追加下、南何)
    207. 世の名立つ悔むは無益(むやく)つたなの世(毛吹草追加下、南何)
    208. 中きつう鼻はたはなは卯月哉(鼻にものの出来ければ、崑山集)
    209. 中ごみかりくつにつくりかみこ哉(崑山集)
    210. 中ごみか売るた綿るう紙子かな(崑山集)
    211. 中さしに今朝ぞ屠蘇酒にし肴(崑山集)
    212. 中な淵身もふとるより底てりてこぞり寄るとふもみぢ鮒かな(紙屋川水車集、巻軸)
    213. 中な葉をむらがり刈らむ尾花哉(毛吹草六、廻文之発句)
    214. 中の方(かた)たつ鳥とつた鷹野哉(崑山集)
    215. 中の草はなはた花はさく野哉(崑山集)
    216. 中はない蝗(いなご)の子ない稲葉哉(毛吹草六、廻文之発句)
    217. 中乗るは馬(むま)のこのまむ春野かな(毛吹草六、廻文之発句)
    218. 中入れをぬぎつ夏来ぬ御礼哉(衣替の礼に行て、崑山集)
    219. 中出た穂群り刈らん穂蓼かな(夢見草、五)
    220. 中広い萩垣垣は広いかな(夢見草、五)
    221. 中朽ちし竹の子除けた紫竹哉(崑山集)
    222. 中臣のみ神楽一人舞の手の今りと開く神の御戸哉(譬喩集)
    223. 丸く咲かば名こそそこなは風車(毛吹草六、廻文之発句)
    224. 主(しう)も主望む先祖の氏(うじ)も氏(芦辺の鶴・新編柳多留、四)
    225. 主(しう)持てばむなしく死なむ果も憂し(俳諧廻文百韻)
    226. 井のもとぞ見すかす霞外面(そとも)の井(毛吹草追加下、南何)
    227. 交野(かたの)見つ鳥と小鳥とつみの鷹(毛吹草追加下、春日何)
    228. 人に似た案山子(かかし)に鹿が谷に飛び(新編柳多留、七)
    229. 人はいけ番(つが)はせば勝つ競馬飛び(毛吹草追加下、春日何)
    230. 人来ねば河豚(ふぐ)喰ふは猫鳶(はした柴)
    231. 今日(けふ)のよさ月庭に来つさ夜の更(ふ)け(廻文歌百首)
    232. 今日は皆した嗜(たしなみ)は武家(紙屋川水車集、第一)
    233. 今朝う(む)まし飲めやあやめの自慢酒
    234. 今朝うたふ飲めかや瓶(かめ)の葡萄酒(毛吹草、追加下)
    235. 今朝と待つ呑めやあやめの夫(つま)と酒(折句紀の玉川、二)
    236. 今朝のむかしますなすまし寒の酒(崑山集)
    237. 今朝のむか寒の日飲むかかん(む)の酒(世話焼草、五)
    238. 今朝のめか春初春は瓶の酒(毛吹草追加下、南何)
    239. 今朝のめか長閑な門(かど)のかめの酒(毛吹草追加下、南何)
    240. 今朝の座円く車座の酒(峯の嵐)
    241. 今朝の桃よいよりよいよ桃のさけ(崑山集)
    242. 今朝の菜は下地にしたし花の酒(俳風国恩会狂句)
    243. 今朝の酒のめやあやめの今朝の酒(崑山集)
    244. 今朝はのめや菖蒲(あやめ)の花見酒(毛吹草追加下、春日何)
    245. 今朝ひかむ額(ひたひ)も痛い迎酒(むかひざけ)(新編柳多留、19)
    246. 今朝みなは素不二の詩賦す花見酒(はした柴)
    247. 今朝よさけ今朝さけささげ今朝よさけ(崑山集)
    248. 今朝よとひ出来た又来て一夜酒(世話焼草、五)
    249. 今朝よ都鄙(とひ)飲みたえ民(たみ)の一夜酒(崑山集)
    250. 今朝よ雌(め)の雉子さく座敷のめよ酒(崑山集)
    251. 今朝何事を男になさけ(毛吹草追加下、南何)
    252. 今朝嵯峨は御代祝ひ読み和歌ささげ(はした柴)
    253. 今朝張りし帷子(かたびら)襞(ひだ)か尻は裂け(俳諧廻文百韻)
    254. 今朝授(さづ)く二字のその師に沓(くつ)ささげ(世話焼草、五)
    255. 今朝春や勇む万歳やるは酒(とはず口)
    256. 今朝皆はへた歌うたへ花見酒(崑山集)
    257. 今朝皆は飲まじ小島の花見酒(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    258. 今朝祝ひ飲めや菖蒲の祝ひ酒(夢見草、五)
    259. 今朝酔(ゑ)うた野辺の早苗の田植酒(夢見草、五)
    260. 今朝飲むが自慢ぞむまし寒の酒(鷹筑波、五)
    261. 今疾(やま)い数を直すか今疾い(紙屋川水車集、第九)
    262. 仕方なし見越しの仕込み品高し
    263. 仕舞う撥(ばち)呑みし馴染の癡話(ちは)旨し(種くらべ)
    264. 付けつ縄(なは)牛をや惜しう花付けつ(紙屋川水車集、第三)
    265. 代の仕向け一門もちひ(い)源氏の代(紙屋川水車集、第八)
    266. 伊丹が見たい
    267. 伊予路みちよい伊予路みちよい(毛吹草追加下、春日何)
    268. 伊勢の戻りか借り供の勢(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    269. 似せ武家を廓で悪く桶伏せに(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    270. 住の江の岸には錦野辺の水
    271. 住居に居ます
    272. 作意せよ勝負(かちまけ)間近よせ軍(いくさ)(世話焼草、五)
    273. 供の入りしは走井(はしりい)のもと(廻文俳諧之歌仙)
    274. 供の名は平(へい)どのと言へ花のもと
    275. 信心(しむじむ)よ残るべきはらみつた歌罪らは消へるこのよむしむし(心経にならい、(廻文歌百首))
    276. 信濃名はしら波ならし花の梨(崑山集)
    277. 元の主(しう)宿乞ふ門や宇治の友(芦辺の鶴)
    278. 元の名はかりの名乗りか花の友(雑体句集)
    279. 元の名は蝶(てふ)とや問ふて花の友(はいかい神勅撰)
    280. 元の名は隠さず咲くか花の友(廻文俳諧之歌仙)
    281. 元伐るかにくきぞ菊にかるき友(崑山集)
    282. 元法(のり)の扇を祗王法の友(しけり柳、上)
    283. 其角(きかく)めは濡れしか知れぬ嵌句(はめく)書き
    284. 冤(むじつ)つつしむ冤慎む(俳諧廻文百韻)
    285. 冷(ひえ)に今朝飲むかやかんの酒に酔(え)ひ(毛吹草六、廻文之発句)
    286. 冷たきは雪こそみ雪掃き溜めつ(俳諧廻文百韻)
    287. 冷の気寒く酌む酒の酔(えひ)(毛吹草追加下、春日何)
    288. 出(て)しか雛小隅(おすみ)の翠簾(みす)を靡(なび)かして
    289. 出しまでとう(ふ)か甲(かぶと)出ました(毛吹草追加下、春日何)
    290. 出し野をば雁(がん)が帰雁(きがん)が羽(は)をのして(毛吹草追加下、南何)
    291. 出ていきつ山や葉山や月出でて(毛吹草追加下、南何)
    292. 出てみよと告げい名月とよみ出て(毛吹草追加下、南何)
    293. 出て見さい花見に皆はいさみ出て(世話焼草、五)
    294. 出入り問ひ安きに寄(き)すや独(ひとり)居て(廻文俳諧之歌仙)
    295. 出替りをすれば身晴(はれ)す折分かで(廻文俳諧之歌仙)
    296. 出来た火を手向(たむけ)にけむたお火焼(た)きて(紙屋川水車集、第一)
    297. 出来ぬ日は耕せや肩肌ぬぎて(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    298. 出来日永(ひなが)のち道々の叶ひ来て(紙屋川水車集、第一)
    299. 出来来つつ黒雲くろく続き来て(世話焼草、五)
    300. 分かる旅でぞ袖ひたる川(紙屋川水車集、第三)
    301. 利無くぞ市の後(のち)急ぐなり(如何)
    302. 力(りき)を出し杣(そま)山々ぞ下を切り(毛吹草追加下、春日何)
    303. 勇む眼(まなこ)ぞ其処(そこ)な万歳(まんざい)(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    304. 北のあの滝北のあの滝(世話焼草、五)
    305. 北風や草花は咲くやせがたき(魚の歌合)
    306. 十三夜(よ)月影かきつ読む草紙(紙屋川水車集、第四)
    307. 半(なかば)咲く花南なは草葉かな(毛吹草六、廻文之発句)
    308. 半(なかば)地を軒な柳の落葉かな(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    309. 半ば出たくさびらひさぐ立場(たてば)かな(新編柳多留、19)
    310. 半ば地を掃きし錦は落葉かな(峯の嵐)
    311. 半木(なかはぎ)の梅(むめ)咲きさめむ軒端哉(世話焼草、五)
    312. 半木(なかばき)のはな初花は軒端かな(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    313. 参る鷹野と殿かたる今(紙屋川水車集、第一)
    314. 又あたまはると躍るはまたあたま(紙屋川水車集、第八)
    315. 又うちやるややるや中玉(ちうたま)(毛吹草追加下、春日何)
    316. 又明けばむきつる頭巾はげあたま(世話焼草、五)
    317. 又飛びぬ女(め)と男(お)とあはれぬし知らじ死ぬれは跡をとめぬ人玉(吾吟我集10、廻文哀傷・古今夷曲集、八)
    318. 友が居し山の木の間や椎が本(毛吹草追加下、春日何)
    319. 友が居し山や葉山や椎が下(もと)(毛吹草六、廻文之発句)
    320. 友が居し山陰か間や椎が本(もと)(世話焼草、五)
    321. 友の名はそれたれたれぞ花のもと(崑山集)
    322. 友の名は草刈か咲く花のもと(立圃句集、下)
    323. 友の子の来つ月のこの下(もと)(廻文俳諧之歌仙)
    324. 友の曳(ひき)がな長き日のもと(廻文俳諧之歌仙)
    325. 友の来た春寄りよるは滝のもと(毛吹草追加下、南何)
    326. 友の来た狩かや狩か滝のもと(崑山集)
    327. 友の来ついざ見ん見さい月のもと(崑山集)
    328. 友の来つるは夜よる月のもと(毛吹草追加下、春日何・紙屋川水車集、第四))
    329. 友の来つるは春月(はるつき)のもと(毛吹草追加下、南何)
    330. 友の来つ子規猶鳴きし月の下(もと)(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    331. 友の来つ筵(むしろ)かろしむ月のもと(世話焼草、五)
    332. 友の気が狢(むじな)も馴染む垣のもと(たねふくべ、六)
    333. 友の気晴らし白萩のもと(前句:珍しい事やとたれも賞翫す、花もん日)
    334. 叢芦(むらあし)有るか苅る芦あらむ(毛吹草追加下、南何)
    335. 只雁鳶か飼鳥かただ(紙屋川水車集、第二)
    336. 名がたった見すかすかすみ龍田哉(崑山集)
    337. 名が無きを悔み炭焼く翁かな(世話焼草、五)
    338. 吝(しわ)い家尾鰭の礼を中(ちう)鰯(いわし)(新編柳多留、25)
    339. 告げん端(は)の間や山の半月(廻文俳諧之歌仙)
    340. 呑(の)もなればこんな花聟(はなむこ)晴れなもの(折句紀の玉川、四)
    341. 呼ばばおばばよ呼ばばお婆よ(紙屋川水車集、第一)
    342. 呼ぶのしそれぞそれぞ忍ぶ夜(紙屋川水車集、第二)
    343. 和歌かなふ世か通ふ中川(紙屋川水車集、第一)
    344. 和歌の師よ花嫁よ名は吉野河(崑山集)
    345. 咲くいなばもどれどれとも花軍(はないくさ)(毛吹草追加下、南何)
    346. 咲くかづはだんでかこんだ廿日草(崑山集)
    347. 咲くかづはどれより選れと廿日草(崑山集)
    348. 咲くかづは知らじやしらじはつか草(崑山集)
    349. 咲くことを喜ぶころよ男草(夢見草、五)
    350. 咲くに惜し見ぬかゆかぬ身紫苑(しをに)草(毛吹草六、廻文之発句)
    351. 咲くに惜し馬(むま)はや喰(は)まぬ紫苑(しをに)草(毛吹草追加下、春日何)
    352. 咲くは咲く地や八千ぐさは草(紙屋川水車集、第二)
    353. 咲く数は十(とを)とや十と廿日草(夢見草、五)
    354. 咲く日まず取る手や出るとすまひ草(崑山集)
    355. 咲く色よいざ皆見さい鎧草(夢見草、五)
    356. 咲く色よ出立つた躰(てい)よろい草(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    357. 咲く色よ白しなしろしよろい草(崑山集)
    358. 咲く色よ花にも似なば鎧草(花もん日)
    359. 咲く花は咲く草花は草(視聴草、四集二)
    360. 咲く野辺のよき葉のはぎよ野べの草(崑山集)
    361. 品とめんつぎ木手ききつ梅(むめ)と梨(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    362. 品もろいしら露つらし色もなし(崑山集)
    363. 品もろい白菊切らじ色もなし(毛吹草追加下)
    364. 品も憂や村雨さらんやうもなし(世話焼草、五)
    365. 品川に片側方が庭がなし(たねふくべ、六)
    366. 品玉もおかしな舞も待て暫し手間も暇なし香をもまたなし(藤原隆信朝臣集)
    367. 問いとめよ花折るお名は詠めと人(崑山集)
    368. 問ひぬらし花の其の名は知らぬ人(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    369. 嚏(くさめ)し鼻は花はじめ咲く(紙屋川水車集、第四)
    370. 国の御(み)田稔れ夫(つれ)のみ民の肉(新編柳多留、23)
    371. 土佐の駒野飼や伊賀の馬子の里(花もん日)
    372. 地まるく法(のり)の法の車路(紙屋川水車集、第九)
    373. 地震(ぢしむ)は無実(むじち)地震は無実(紙屋川水車集、第四)
    374. 坂にのみ夜雉子来よ蓑に笠(はした柴)
    375. 坂の名は知らず越すらし花の笠
    376. 坂の春べぞ添へる羽(は)の笠(廻文俳諧之歌仙)
    377. 垣が又花の園名はたまがきか(紙屋川水車集、第二)
    378. 城ぞおそろし城ぞおそろし(毛吹草追加下、春日何)
    379. 堅田あたたか堅田あたたか(紙屋川水車集、第五)
    380. 塀見ずか戸口にちくと霞家(霞、崑山集)
    381. 塒(とや)逃げたひよこも今宵竹に宿
    382. 塗りと刃おちた太刀をば取りぬ(毛吹草追加下、南何)
    383. 墓と浪(なみ)のこして死後の湊川(新編柳多留、26)
    384. 声高(こはだか)なあかがり嬶(かかあ)永(なが)たばこ(新編柳多留、19)
    385. 夏書(げがき)つづれば晴れつ月影(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    386. 外(ほか)に気の虫の音のしむ軒に顔(俳風桜樽、三)
    387. 外の名はしらじ見知らじ花の顔(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    388. 外の名は霞に見ずか花の顔(世話焼草、五)
    389. 外延びき妙(たえ)な花枝貴妃の顔(紙屋川水車集、第九)
    390. 夜の子(ね)の夜銀座はさむき夜の子の夜(紙屋川水車集、巻軸)
    391. 夜は更けるいく年まかで七夕は名たてがましと悔いる今日(けふ)はよ(紙屋川水車集、下)
    392. 夜も百夜(ももよ)かよふ逢ふ夜か夜も百夜(紙屋川水車集、第二)
    393. 夜寒さのことし身にしむ妻戸とぞと松虫に見し床(とこ)の寒さよ(日導作)
    394. 夜寒さよしばしよしばし夜寒さよ(崑山集)
    395. 夜着がな着たき着たき永き夜(毛吹草追加下、南何)
    396. 大工は来つつ続きはぐ板(毛吹草追加下、春日何)
    397. 大工繕(つくろ)ひ広くつく板(俳諧廻文百韻)
    398. 大風(たいふう)びうびう吹いた
    399. 太鼓をしばししじしおこいた(毛吹草追加下、南何)
    400. 如何にも苦(にが)い
    401. 妹がそんならなんぞかと思い(三種尺初)
    402. 妻の在(ま)す筺(かたみ)と見たか須磨の松(桃人評万句合)
    403. 妻の琴やさしらしさや床の松
    404. 妻やまつ牡鹿鳴かじを妻や待つ(崑山集)
    405. 妻をとひ霞しみずか人をまつ(紙屋川水車集、第二)
    406. 妻戸か立てた立てた門松(紙屋川水車集、第一)
    407. 妻戸によ問ひ寄れよ人夜にと待つ(毛吹草追加下、南何)
    408. 妻戸人待つ妻戸人待つ(紙屋川水車集、第五)
    409. 妻戸通はば幅よ門松(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    410. 姑へも手出しをしたで燃え通(とう)し
    411. 威勢このみか神の御(ご)いせい(毛吹草追加下、春日何)
    412. 嫁よ名は何なに何な花よめよ(紙屋川水車集、第二)
    413. 嫁入を致した次第折忌めよ(紙屋川水車集、第四)
    414. 子は誰ぞ二度まで窓にそれた羽子(はご)
    415. 子規猶鳴きし子規猶鳴きし(毛吹草追加下、南何)
    416. 字に暗き田舎は家内気楽にし(入舩狂句合)
    417. 孫乗るは喜ぶ頃よ春の駒
    418. 孫抱かば太鼓羽子板博多独楽
    419. 定家かはよむよ句よむよ若楓(わかかいで)(崑山集)
    420. 定家かわいさむせんさいわか楓(かいで)(世話焼草、五)
    421. 定家たつしるしはしるし蔦(つた)楓(紙屋川水車集、第二)
    422. 宜野(むべの)とや草花はさく宿の辺(毛吹草追加下、南何)
    423. 実る蔦錦木岸に立つるのみ(紙屋川水車集、巻軸)
    424. 実体(じつてい)よすねずくすねずよい丁稚
    425. 宮の灯(ひ)よ白げにけらし宵の闇(俳諧廻文百韻)
    426. 宮は火きえた絶えき火は闇(毛吹草追加下、南何)
    427. 家にけさ屠蘇(とそ)酒さぞと酒に酔(え)い(毛吹草六、廻文之発句)
    428. 家に今朝(けさ)酒あげあげざ酒に酔(え)い(紙屋川水車集、第三)
    429. 宿で待てとや宿で待てとや(紙屋川水車集、第四)
    430. 宿もと惜しむ虫を友とや(魚の歌合)
    431. 宿も爰(ここ)茸(たけ)狩りかけた爰許や(紙屋川水車集、第三)
    432. 宿り遂げぬは羽抜鳥とや(廻文俳諧之歌仙)
    433. 宿る露玉は軒端の葉に繁し庭の萩の葉またゆず(づ)るとや(廻文歌百首)
    434. 寄せん瀬か問ひ一合戦せよ(紙屋川水車集、第三)
    435. 寄りつ祭よよりつ祭よ(紙屋川水車集、第九)
    436. 寄るも寄るも番は夜番は守(も)るよ守るよ(毛吹草追加下、春日何)
    437. 寄るよ皆堤に見つつ波よるよ(毛吹草追加下、春日何)
    438. 寄進の畳弥陀頼む時宜(じぎ)(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    439. 寛(くつろ)いだ間や山田色付く(廻文俳諧之歌仙)
    440. 寝ずのかじ待夜の夜妻鹿のすね(崑山集)
    441. 寝たひまを私(わたし)にしたはお前(まひ)だね(俳風国恩会狂句)
    442. 寺なるよ照る日は昼で夜ならで(毛吹草追加下、春日何)
    443. 小猫の芸よよい毛の小猫(毛吹草追加下、南何)
    444. 屠蘇(とそ)は妻蓬莱老母松は外(新編柳多留、16)
    445. 山し絵どりき霧と絵島や(紙屋川水車集、第二)
    446. 山や野を雪花は消ゆ小野山や(毛吹草追加下、南何)
    447. 山家(やまが)は賤(しづ)も持つ柴鎌や(毛吹草追加下、南何)
    448. 岸が峻(さが)しき岸が峻(さが)しき(毛吹草追加下、南何)
    449. 岸にさく堤に見つつ草錦
    450. 岸に咲くげんげやげんげ草錦
    451. 岸に葉の柳退きなや野は錦(夢見草、五)
    452. 岸に野の萩かや垣は野の錦(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    453. 岸に野の錦や岸に野の錦(狐の茶袋、三)
    454. 岸の片股(かたもも)鷹の食(じき)(卜養狂歌集)
    455. 岸ひこの松が汀(みぎは)に琴の音のとこには君が妻の恋しき(旅立ちの際無事帰宅のまじないに唱えた)
    456. 岸涼ししき岸し涼しき(紙屋川水車集、第二)
    457. 岸間さす夜舟ふるよ冷(すさま)じき(紙屋川水車集、第三)
    458. 島さす筏たがい冷(すさま)し(紙屋川水車集、第八)
    459. 島田をだまし
    460. 崩しなば寒さやさむさ鼻雫(しずく)(世話焼草、五)
    461. 嵯峨にのみ育つた蔦(つた)ぞ蓑(みの)に笠(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    462. 嵯峨に来つかすめて召すか月にかさ(嵯峨にて、嵐山集)
    463. 嵯峨のきつよきか長き夜月の笠(嵐山集)
    464. 巣低うかけた竹か鶯(毛吹草追加下、春日何)
    465. 師也子に物くしくのも濁り無し(折句紀の玉川、四)
    466. 師走(しはす)事無(な)みみなと越す橋(紙屋川水車集、巻軸)
    467. 年は気に順(したが)ひがたし賑はしと(廻文俳諧之歌仙)
    468. 庇(たばひ)すな悔むは無益(むやく)なすび畠(崑山集)
    469. 床延べよ何だえ旦那よべのこと
    470. 庵(いお)咲く萩の軒端(のきば)草生(お)い(芦辺の鶴)
    471. 延びる日の堤(つつみ)や見つつのびる日の(雑体句集)
    472. 式部ぞ軒端萩のそふ岸(紙屋川水車集、第四)
    473. 弓も矢も見ゆ弓も矢もみゆ(毛吹草追加下、春日何)
    474. 弓張り取らむむら鳥は見ゆ(視聴草、第四集二)
    475. 弓鑓(やり)や見ゆ弓鑓(やり)や見ゆ(毛吹草追加下、南何)
    476. 弟子に児(ちご)野かいは鳳凧(いか)の東風(こち)にして(峯の嵐)
    477. 弟子医ます賑ふわきに住居して(廻文俳諧之歌仙)
    478. 弥(いや)かるく鶯低う来るかやい(毛吹草追加下、南何)
    479. 弥宜(やぎ)が杵(きね)
    480. 弥陀に見たくば箔彩(はくだ)みにだみ(毛吹草追加下、春日何)
    481. 弱からじもまる車も白川よ(紙屋川水車集、第七)
    482. 形見を見たかかたみを見たか(毛吹草追加下、南何)
    483. 彦六も今日(けふ)また儲(まふ)け持ち運び(廻文俳諧之歌仙)・続誰が家・足薪翁記
    484. 彼岸に花は花葉にむかい(ひ)(毛吹草追加下、南何)
    485. 待つに文やり宵よりや三符(みふ)に妻(崑山集)
    486. 待つはつらいと苛(いら)つは妻
    487. 待つ夜来よ妻待つ夜来よ妻(毛吹草追加下、南何)
    488. 待つ日のしるししる忍妻(世話焼草、五)
    489. 待つ無駄寝廓を悪く妬む妻
    490. 御万歳(ごまんざい)来たで目出度き勇む孫(新編柳多留、30)
    491. 御仮屋(みかりや)はひら並ならび時行(はやり)神(廻文俳諧之歌仙)
    492. 御法(みのり)塵の身御(みみ)のりちりの身(紙屋川水車集、第一)
    493. 御異見がしみてして見し寒稽古(新編柳樽、六)
    494. 御簾(みす)かくか山の木の間やかく霞(世話焼草、五)
    495. 御簾買つた彼岸にむかひ立つ霞(世話焼草、五)
    496. 御簾透きつ内裏がり行た月涼み(紙屋川水車集、第一)
    497. 御頭(おかしら)も取手みてりと洩(もら)し顔(廻文俳諧之歌仙)
    498. 思ひなば解い(ひ)て待て人花紐を(廻文俳諧之歌仙)
    499. 怪我をしば悔やむも無益(むやく)梯(はし)を掛け(俳諧廻文百韻)
    500. 恋の憂き何ぞに損な灸の已後(いご)(折句紀の玉川、四)
    501. 恥じ身も楽を小倉紅葉ば(紙屋川水車集、第二)
    502. 悋気(りんき)言ひ泣くなよ泣くな贔屓(ひいき)無理(毛吹草追加下、春日何)
    503. 悋気無理日永(ひなが)はかない悋気無理(紙屋川水車集、五)
    504. 悋気言ひ腹立てたらば贔屓(ひいき)無理(俳諧廻文百韻)
    505. 惜しきをぞ見つむら草や名は知らじ花や咲くらむ摘みぞおきしを(摘草)(廻文歌百首)
    506. 惜しめどもついにいつもと行(ゆ)く春は悔ゆともついにいつもとめじを(悦目抄・海録、二)
    507. 慈悲よきと寺で御寺で斎(とき)よ非時(ひじ)(毛吹草追加下、南何)
    508. 憎いなふ素股(すまた)でだます舟比丘尼(新編柳多留、二六)
    509. 我がたつた雉子にやにしき龍田川(崑山集)
    510. 我が庵(いお)を慕はば渡し大井川(廻文俳諧之歌仙)
    511. 我が水な流れ寄れかな菜つみ川(七種、崑山集)
    512. 我が留守待とう疎(うと)まするかわ(廻文俳諧之歌仙)
    513. 我が立つ岸にも錦龍田川(廻文俳諧之歌仙)
    514. 我が衣ぬらして知らぬもろこ川(峯の嵐)
    515. 戸波よせ設けを今日(けう)もせよ湊(紙屋川水車集、第一)
    516. 戻つたぞ時鳥(ほととぎす)はや来つ鳴けな月やは杉戸とぼそたつとも(子規、廻文歌百首)
    517. 戻るべき好(よしみ)積みしよ消え(へ)るとも(廻文俳諧之歌仙)
    518. 戻ろう(ふ)か二階は如何に禿(かぶろ)ども(磯の波・花紋日・小塩山)
    519. 所(とこ)知れぬ湯治は姑(しうと)ぬれ仕事(柳風狂句合)
    520. 手うち打て童(わらわ)よ童手打ち打て(紙屋川水車集、第一)
    521. 手からはや嗜(たしな)みなしたやはらか手(毛吹草追加下、南何)
    522. 手のひらは無しやあやしな蕨(わらび)の手(崑山集)
    523. 手はのこるまじ詰まる碁の果(俳諧廻文百韻)
    524. 手打て打て蝶(てふ)舞ふまふて手うてうて(胡蝶、崑山集))
    525. 手撫で寝肌は肌は寝て撫で(紙屋川水車集、第二)
    526. 折の至ればはれた祈を(廻文俳諧之歌仙)
    527. 折りかざし人訪(と)いて来(き)見その花は望み来て人とひしさかりを(紙屋川水車集、下)
    528. 折るな枝野菊の茎のたえなるを(峯の嵐)
    529. 折るな枝鶯ひくう妙(たえ)なるを(廻文俳諧之歌仙)
    530. 折るな花注連(しめ)して〆(しめ)し縄(なは)なるを(さへづり草、浅草寺本堂のうしろの千本桜につけた回文の禁札)
    531. 拙(つたな)き中ははかなき名立つ(毛吹草追加下、春日何)
    532. 掃きのけた雪や早や消ゆ竹の際
    533. 摘み除けい蓼(たで)の穂の出た池の水(毛吹草六、廻文之発句)
    534. 摩耶に来つよい景景よ月に山(まやのくわんおんの御まへにて、崑山集)
    535. 摩耶の北よき清滝の山(紙屋川水車集、第三)
    536. 摺(すり)切りき壁にもにべかきりぎりす(世話焼草、五)
    537. 数があひ夜(よ)まに訪(と)ひきし生駒山恋しき人に迷ひ明かすか(寄山恋、廻文歌百首)
    538. 敵は引く切り取り取りき首は来て(毛吹草追加下、春日何)
    539. 敵時よきと時よきと来て(毛吹草追加下、南何)
    540. 敷島や定家の書いて山色紙(筑丈評万句合)
    541. 敷砂はきよみぞ見能き花透きし(廻文俳諧之歌仙)
    542. 文字の躰(てい)手品やなしで井手の霜(崑山土塵集)
    543. 斑々(むらむら)し消ゆ山や雪白むらん(世話焼草、五)
    544. 斯(か)く薫(た)く香仕(かし)ぬ主(ぬし)かく薫くか(毛吹草追加下、南何)
    545. 日ころ喜び日ころ喜び(廻文俳諧之歌仙)
    546. 日ごろよき人問ひき喜び(俳諧廻文百韻)
    547. 日ごろよき家内は世継継ぐとく継ぎつ齢(よはい)長き喜び(廻文歌百首)
    548. 日ぞあてのどか門(かど)の手遊(てあそび)(廻文俳諧之歌仙)
    549. 日ぞあまた長閑な門の玉遊び(毛吹草追加下、春日何)
    550. 日の南雪や早や消ゆ南の日(毛吹草追加下、春日何)
    551. 日は亥の子後をゆお乳(ち)の児(こ)の祝ひ(峯の嵐)
    552. 日は亥の子餅をぞお乳(ち)も子の祝(毛吹草六、廻文之発句)
    553. 日は亥の子餅食へくちも子の祝(いはひ)(崑山集)
    554. 日は和泉(いづみ)尽きても出来つ水祝ひ(享保12年信州万句合、廻文歌仙・月花集)
    555. 日影さすのどかや門(かど)の酢酒買(かひ)(夢見草、15)
    556. 日脇ただ越いたる太鼓たたきわび(世話焼草、五)
    557. 日頃よい長くよき春今伊勢い参るは清く家内よろこび
    558. 日頃世を取る事こるとお喜び(折句紀の玉川、二)
    559. 早や戻る酒手(さかて)車かエイやらや家がまるくて飾るともやは(廻文歌百首)
    560. 星月をすますゆすます興津塩(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    561. 星月を書くか絵がくか沖つ汐(しほ)(月、崑山集)
    562. 春べぞ庵に匂い添へるは(廻文俳諧之歌仙)
    563. 春日は神事神事は春日(毛吹草追加下、南何)
    564. 春日野と春日(はるひ)のひるはどの春日(かすが)(紙屋川水車集、第一)
    565. 春来るは百鳥(ももとり)共も春来るは(毛吹草追加下、春日何)
    566. 時に隔(へだち)の後(のち)絶へにきと(廻文俳諧之歌仙)
    567. 時世見る様のよしよし何処もかも今年よし世の優(すぐ)る身よきと(賀)(廻文歌百首)
    568. 景寒(さむ)し雪早(はや)は消ゆ新(しむ)在家(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    569. 晴立つも名高き刀持つたれば(廻文俳諧之歌仙)
    570. 暗くば泣くな泣くな伯楽(紙屋川水車集、巻軸)
    571. 曳かむ馬子こや見ん都駒迎ひ(毛吹草追加下、廻文之発句)
    572. 最上川渡り懲りたはわが身かも(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    573. 月に又よきは小萩よたまに来つ(はした柴)
    574. 月に又村雲くらむ玉に疵(きづ)(東宰府天満宮奉額狂句合)
    575. 月に又止(や)めぬあの雨や玉に疵(きづ)(夢見草、五)
    576. 月に聞き砧(きぬた)を狸聞きに来つ(紙屋川水車集、第四)
    577. 月の下(もと)野もよき四方(よも)の友の来つ(廻文俳諧之歌仙・俳諧廻文帖)
    578. 月ひと男ことを問ひ来つ(魚の歌合)
    579. 月も見き喜ぶころよ君も来つ(夢見草、五)
    580. 月を嵯峨霧ふり降りき笠を着つ(毛吹草追加下、南何)
    581. 月を常くず屋は安く寝つ起きつ(とはず口・梅の艶・新編柳多留、13)
    582. 月を常に見たか互(かたみ)に寝つ起きつ(毛吹草六、廻文之発句)
    583. 月出(い)でて問(とひ)に人出ていきつ(毛吹草追加下、春日何)
    584. 月星浮ぶふかう汐来つ(毛吹草追加下、春日何)
    585. 月照れば靄(もや)も百屋(ももや)も晴れて来つ(狐の茶袋、三)
    586. 月遅き野萩の際の木曾を来つ(はした柴)
    587. 木々の名は問へかし買へと花の木々(花をうりに来ければ、崑山集)
    588. 木か竹か見すかす霞影高き
    589. 木がきつう切りとり取りき卯木垣(毛吹草追加下、南何)
    590. 木がきつう折るを手(た)折るを卯木垣(うつぎがき)(毛吹草六、廻文之発句)
    591. 木が名は知れき切れし花垣(世話焼草、五)
    592. 木曽の奥主(しう)持つも憂し苦を除き(芦辺の鶴・新編柳多留、10)
    593. 末ありと花見に皆は取りあへず(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    594. 杉伐(き)った山の木の間や立つ雉子(きぎす)
    595. 杉戸乏しき岸ほととぎす(廻文俳諧之歌仙・世話焼草、五)
    596. 杉戸戸を叩け鳴けただほととぎす(世話焼草、五)
    597. 杉戸戸細に待つ間にぞ時鳥(ほととぎす)(九逸大松両霊追福句合)
    598. 杉戸枢(とぼそ)妻戸とまつぞほととぎす(崑山集)
    599. 村の菜時は萩と名のらむ(峯の嵐)
    600. 村の馬子戻りなりとも駒乗らむ(毛吹草追加下、南何)
    601. 村伝へ御簾かは霞へだつらむ(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    602. 村癖か山人でまや稼ぐらむ(俳諧廻文百韻)
    603. 村雨や晴れじと知ればやめざらむ(毛吹草追加下、春日何)
    604. 村雨や月さ笠着つやめざらむ(紙屋川水車集、第五)
    605. 杖軽(かろ)し持ちたる太刀も代替えつ(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    606. 来し日こじつつつつじ恋しき(紙屋川水車集、第二)
    607. 東風(こち)吹かましを押しまかふ児(ちご)(廻文俳諧之歌仙)
    608. 松の戸や茸狩かけた宿の妻(狐の茶袋、三)
    609. 松の木のしら露つらし軒のつま(世話焼草、五)
    610. 松の木ののびる春日(はるひ)の軒の妻(毛吹草追加下、春日何)
    611. 松の木のやさしきふさや軒の妻(ごまかしの回文、はした柴)
    612. 松の木の梅(むめ)や悩めむ軒の妻(立圃句集、上・崑山集)
    613. 松の木の雪やはや消ゆ軒の妻(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    614. 松の木の霞は見ずか軒のつま(崑山集)
    615. 松の木長閑(のどか)門軒の妻(紙屋川水車集、第一)
    616. 松焚きて貰ふ湯風呂も出来た妻(種くらべ)
    617. 松茸に手出しをしたで逃げた妻(蔦蔓恋之花菱)
    618. 板落作(いたらくさく)や焼く桜鯛(紙屋川水車集、第二)
    619. 染屋は出来て速めぞ(俳諧廻文百韻)
    620. 柴のき花は花は気のばし(紙屋川水車集、第一)
    621. 柴の戸や畑(はた)打つ唄は宿の端
    622. 柴の戸や虫を寝惜しむ宿のはし(はした柴)
    623. 柴の戸や霧なくなりき宿の橋(毛吹草追加下、春日何)
    624. 柴敷きつ片野辺の鷹月暫し(はした柴)
    625. 柴筏来る櫂かるく高い橋(折句紀の玉川、四)
    626. 柿ある屋にて手に遣(や)る秋か(毛吹草追加下、南何)
    627. 桃さく早(さ)桃咲くさ桃(毛吹草追加下、南何)
    628. 桃の木かよく咲き咲くよ垣のもも(崑山集)
    629. 桃の木のなるをば折るな軒のもも(崑山集)
    630. 桃の辺やしろし真白し八重のもも(崑山集)
    631. 桃李(すもも)かつ数かつか桃李(崑山集)
    632. 棟木の外(と)そこで地(じ)をみず猫なけな小鼠怖じてこそとのきなむ(後撰夷曲集八、廻文哥)
    633. 樒(しきみ)摘み来ししきみ摘み来し(紙屋川水車集、第三)
    634. 正(まさ)しくや春信じるは薬師さま(雑春、崑山集)
    635. 此の子猶羽根つく常は女子(おなご)の子(毛吹草追加下、春日何)
    636. 此の相図見れば憐(あはれ)みつひあの子(廻文俳諧之歌仙)
    637. 此の類が下水(したみず)みたしかいるの子(毛吹草六、廻文之発句)
    638. 母の乳(ち)の養ひ無しや後の母(信州万句合集)
    639. 比(ころ)も無(な)ふ下水(したみず)みたし鮒もろこ(毛吹草追加下、春日何)
    640. 比(ころ)も無(な)ふ春とや取るは鮒もろこ(毛吹草六、廻文之発句)
    641. 比も経ば流れ寄れがな鮠(はへ)もろこ(毛吹草追加下、南何)
    642. 水(みづ)のかた村鳥とらん鷹のつみ(崑山集)
    643. 水(みな)底ききよき清きこそ波(毛吹草追加下、南何)
    644. 水冷(つめ)た鴛(をし)はとはじを溜堤(狐の茶袋)
    645. 水出でた以後や冷(ひや)こいだて泉(紙屋川水車集、巻軸)
    646. 水泉(いづみ)むまくや汲まむ水泉(夢見草、五)
    647. 水無月を宿せる瀬戸やおきつ波(鷹筑波、一)
    648. 水無月を皆見や皆見沖つ波(夢見草、五)
    649. 水車杵臼溶木(うねき)まるく積み(はした柴)
    650. 永い(ひ)冬春永なるは夕日かな(崑山集)
    651. 永き日に舞蝶(ぶてふ)とぶ蝶二疋かな(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    652. 永き日に馴染むは狢(むじな)二疋かな
    653. 永き日をもる花春も老木哉(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    654. 永き日を軒端椿の老木(おひき)哉(雑体句集)
    655. 永ひるは楽(らく)ます枕春日かな(世話焼草、五)
    656. 求めたのりののりの為とも(俳諧廻文百韻)
    657. 汐(しほ)時海嘯(つなみ)皆月と星(紙屋川水車集、第二)
    658. 汐と水とぞ外つ見通し(廻文俳諧之歌仙)
    659. 池に来つ下(した)水見たし月に景(夢見草五)
    660. 池のみか浪つづけかし遠き滝おとしかけつつ水上(みなかみ)の景(毛吹草追加下、廻文之狂歌)
    661. 池の北山や狭山や滝の景(毛吹草追加下、春日何)
    662. 池の北深山(しんざむ)寒し滝の景(雑冬、崑山集・とばず口)
    663. 池の名はしらずめずらし花の景(旅にて池の花をみて、崑山集)
    664. 池の岸雪やはや消ゆ四季の景(前句冠付勝句集)
    665. 池の皆鴨か真鴨が浪の景(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    666. 池の端(は)に雪や早や消ゆ庭の景
    667. 池の蓮そこ清きこそすはの景(すはの池にて。続山井夏・はいかい歌の徳)
    668. 池の藻よ花初花は四方の景(毛吹草六、廻文之発句)
    669. 池の間や富士とは年経(ふ)山の景(紙屋川水車集、第三)
    670. 池の面(も)よ波ながめむに香りけりほかに梅(むめ)がな皆四方も景(廻文歌百首)
    671. 泥亀を得てそと袖へ(え)御目借ろと(廻文俳諧之歌仙)
    672. 活かしなば雉子やあやしき放し飼(鷹筑波、一)
    673. 流しつつ波のま残る川の瀬の分かる木の間のみなつつじかな(廻文歌百首)
    674. 流しつつ生けしは繁いつつじ哉(毛吹草六、廻文之発句)
    675. 流し元虫探さしむ灯(ともし)かな
    676. 淀ぞ爰(ここ)初旅だつは爰ぞとよ(毛吹草追加下、春日何)
    677. 淀城の距(へだ)つを伝へ狼火(のろし)とよ(廻文俳諧之歌仙)
    678. 淀路(よどぢ)どちとよ淀路どちとよ(毛吹草追加下、南何)
    679. 添いなれつのちのちのちのつれないぞ(紙屋川水車集、第一)
    680. 湊なは錦か岸に花と波(崑山集)
    681. 湊川苫のぞきつつ回りけり浜続きその窓は門(かど)なみ(吾吟我集10、廻文哥、雑)
    682. 満月に千町(ちまち)市町荷付け馬(はした柴)
    683. 滋賀むかし知ればあはれし滋賀むかし(紙屋川水車集、第八)
    684. 火は庭に神の好みか庭庭火(紙屋川水車集、第九)
    685. 灸いや艾(もぐさ)臭くも灸いや(毛吹草追加下、南何)
    686. 炭かま霞み見ず竈(かま)か見ず(紙屋川水車集、第二)
    687. 炭くろくただ只くろくみず(毛吹草追加下、南何)
    688. 炭焼く男事を悔(くや)みず(俳諧廻文百韻)
    689. 無かつた子出来たを抱きて炬燵(こたつ)かな(種くらへ)
    690. 無念さ胸に二年三年(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    691. 無念を狐熱気怨念(俳諧廻文百韻)
    692. 無言真言無言真言(紙屋川水車集、第七)
    693. 焼け竹やとんどやとんど焼け竹や(夢見草、五)
    694. 焼芋を鳩に餌にとは思ひ(い)きや(入舩狂句合)
    695. 煤掃(すすはき)よやれ起きおれや夜着(よぎ)は煤(新編柳多留、30)
    696. 照(てり)は見ゆ月の輪除(の)きつ弓張りて(毛吹草追加下、南何)
    697. 照りての日水なくなづみ日の昊(て)りて(紙屋川水車集、第一)
    698. 照りて来つ室町まろむ月てりて(紙屋川水車集、巻軸)
    699. 照りて来つ西に真西に月てりて(毛吹草追加下、春日何)
    700. 照り降りき庭よく夜半に霧ふりて(視聴草、四集二)
    701. 照れ月日小松に妻子(つまこ)引連れて
    702. 照れ月日村牛売らむひきつれて(紙屋川水車集、第二)
    703. 熊野の春は張るは布幕(ぬのまく)(紙屋川水車集、第一)
    704. 熊野湯治を落人(おちうど)の幕(折句紀の玉川、二)
    705. 爪琴を向ひてひかん男松(毛吹草追加下、春日何)
    706. 爰(ここ)ぞとよ子規(しき)鳴き鳴きし淀ぞここ(夢見草、五)
    707. 片意地餅も餅も強いたか(紙屋川水車集、巻軸)
    708. 片里や軒端の萩の宿さだか(新編柳多留、二)
    709. 独りのみ悲しき品か御法(みのり)問(とひ)(毛吹草追加下、春日何)
    710. 狸威(おどし)よよし遠砧(廻文俳諧之歌仙)
    711. 猪(しし)と猪鹿添ふぞかし猪としし(崑山集)
    712. 猪(しし)の怒りか狩か猪(い)のしし(紙屋川水車集、第八)
    713. 理を自(おの)づ感じ鬼神が角(つの)を折り(柳風狂句合)
    714. 理屈なはのけん鈍げの花作り(花、崑山集)
    715. 理屈なは手品やなして花づくり(夢見草、五)
    716. 理屈なは槍梅(やりむめ)無理や花つくり(世話焼草、五)
    717. 理屈なは駄目だぞ駄目だ花作り(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    718. 理発あぐひす巣引く梁(うつばり)(はした柴)
    719. 生垣(いけがき)は手品をなして萩が景(けい)(毛吹草追加下、春日何)
    720. 生垣はむばら嫌はむ萩が景(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    721. 生花(いけばな)は床見よ見事花は景(崑山集)
    722. 田うえ哥(うた)小田うえ歌を田うえうた(紙屋川水車集、第四)
    723. 田の草取ると取ると作の田(紙屋川水車集、第四)
    724. 田はやはためぐめや恵め田は八幡(紙屋川水車集、第一)
    725. 田は月かしろし白しや杜若(はした柴)
    726. 田は月か影か日影か杜若(かきつばた)(毛吹草追加下、春日何)
    727. 田は月か野べは沢(さは)べのかきつばた(鷹筑波、五)
    728. 田掻け明方田かけ明方(紙屋川水車集、第五)
    729. 田植うたえ歌はば田うえ田植哥(毛吹草六、廻文之発句)
    730. 田植唄ふたつや伝ふ田植唄(鷹筑波、四)
    731. 田植唄歌うや歌う田植唄
    732. 田舎舞にて憂き腕に際(ひま)がない(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    733. 田返す野べの野べの末かた(紙屋川水車集、第三)
    734. 田鶴(たづ)たち立った田鶴(たち立った(毛吹草追加下、春日何)
    735. 田鶴たつか羽早はねは且つたつた(毛吹草追加下、南何)
    736. 留守守(もり)もする留守守もする(廻文俳諧之歌仙)
    737. 留守守る日若夫婦かは昼もする(しけり柳、中)
    738. 病む沙汰は果さぬ沙汰は肌寒や(毛吹草追加下、南何)
    739. 痩せ畑(はた)荏胡麻(えごま)孫へ賜(たば)せや(はした柴)
    740. 白しはな注連(しめ)しやしめし苗代し(紙屋川水車集、第一)
    741. 白むかと問ひよるよしに求めきめ供にし寄るよ人咎むらし(魚の歌合)
    742. 白川のたうのねぶりの皆めざめ波のり舟の歌の和歌らし(古歌にならい、廻文歌百首)
    743. 白波の消ゆは淡雪のみならし(世話焼草、五)
    744. 白波の船ばたはのう(なふ)波ならし(毛吹草追加下、南何)
    745. 白波の高き音すら長浜は必らず遠き方のみならし(藤原隆信朝臣集)
    746. 白萩のもとに蘭咲く名はしるし花くさむらに友の気晴し(毛吹草追加下、廻文之狂歌)
    747. 白萩の垣根は禰宜(ねぎ)が軒端らし
    748. 白萩を月に見に来つお気晴らし(柳風狂句合)
    749. 白雪の消ゆる春野か駒しばし馬子が乗る春雪の消ゆらし(毛吹草追加下、廻文之狂歌)
    750. 白雪は今朝野の草の葉にもつも庭の桜の咲けば消ゆらし(吾吟我集10)
    751. 白雪は名へつつめども小野山や野を求めつつ経なば消ゆらし
    752. 白雲もくらし白雲もくらし(紙屋川水車集、第六)
    753. 白霜は笹の篠笹葉も白し(毛吹草追加下、南何)
    754. 白霜置きつ月面白し(毛吹草追加下、春日何)
    755. 白髪好まば浜の木枯(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    756. 皆は留守権七新吾する花見(雑体句集)
    757. 皆庭にねぶりのり舟庭に波(紙屋川水車集、第二)
    758. 皆空(くう)の世界なり地も水も火も罪も塵無い風のうく波(廻文歌百首)
    759. 皆筏出し竿さして高い波(毛吹草追加下、南何)
    760. 皆見たき折から雁(かり)を北南(毛吹草追加下、春日何・崑山集・廻文之俳諧)
    761. 皆見たき草花は咲く北南(夢見草、五)
    762. 皆見たき雁か初雁(そがん)が北南(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    763. 皺(しは)の悔(くゆ)長な日永なゆぐのはし(世話焼草、五)
    764. 盗(たう)の前清風かよき絵馬の歌(しけり柳、中)
    765. 盛(さかり)かと梅(むめ)かとがめむとがり空(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    766. 目のたけか御幸(みゆき)月弓影頼め(紙屋川水車集、第二)
    767. 目の凝るは寒気(かんけ)加減か張る木(こ)の芽(世話焼草、五)
    768. 目をとめよ梅(むめ)か眺めむ夜目遠目(毛吹草六、廻文之発句・花もん日)
    769. 目出たしと注連(しめ)し始めし年立てめ(紙屋川水車集、第四)
    770. 目見おきつさいもみもいざ月を見め(紙屋川水車集、第一)
    771. 真砂(まさご)地を軽くも来るかお稚児様(毛吹草追加下、南何)
    772. 真砂よ風が風が横さま(毛吹草追加下、春日何)
    773. 真砂地をめす笠かすめお児(ちご)さま(霞、崑山集)
    774. 眠(ねぶ)りしは白露つらし走船(毛吹草追加下、南何)
    775. 眠(ねぶ)りしは霧の間のりし走り舟(俳諧廻文百韻)
    776. 眠(ねぶ)りたくざんざざざんざ下り舟(狐の茶袋、三)
    777. 眠気(ねぶけ)顔月こそ漕ぎつ帆懸け船(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    778. 睦み来し人と跡問ひ樒(しきみ)摘む(毛吹草追加下、南何)
    779. 矢のし年こす過(すご)し年の矢(紙屋川水車集、巻軸)
    780. 知らぬげに案山子に鹿がにげぬらし(聴視草、四集二)
    781. 知らぬ人矢矧(やはぎ)の際や問ひぬらし(毛吹草追加下、春日何)
    782. 知らぬ身がつい思い出しくどき泣きとく下紐をいつか見ぬらし(廻文歌百首)
    783. 知らるるは悲しきけなし常闇(とこやみ)やことし嘆きし中晴るるらし(魚の歌合)
    784. 石曳き放つ綱はきびしい(俳諧廻文百韻)
    785. 石楠(さくなぎ)をしらなみならし翁草(鷹筑波、二)
    786. 石間(いしま)さす舟かげかのう(なふ)冷(すさま)じい(毛吹草追加下、春日何)
    787. 砂山崩(くづ)き築く間やなす(廻文俳諧之歌仙)
    788. 祖父(じい)の意地
    789. 祝(いはひ)肴に蜷(にな)が幸(さいはい)(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    790. 祝ひ呑み今朝ぞ屠蘇酒身の祝(新編柳多留、27)
    791. 神事御神事神事御神事(紙屋川水車集、第五)
    792. 禰宜(ねぎ)や巫(きね)神楽は楽か禰宜やきね(崑山集)
    793. 稚(おさな)さをすかすよ賺(すか)す稚さを(毛吹草追加下、南何)
    794. 種々(くさぐさ)の名は知らぬらし花守も名はしらぬらし花の咲く咲く
    795. 稲(いな)かき竹かかけた木がない(紙屋川水車集、第七)
    796. 積み乗るは筏か高い春の水(毛吹草六、廻文之発句)
    797. 空事と待つ妻戸どこらぞ(紙屋川水車集、第六)
    798. 立つたりき垣か籬(まがき)か霧たつた(崑山集)
    799. 立つたるはよややよ春たつた(毛吹草追加下、春日何)
    800. 立つたるよ鴨か小鴨かよるたつた(崑山集)
    801. 立つ波のどうどうどうとのみ鳴つた(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    802. 童(わらわ)が咄(はなし)品は変らは(はした柴)
    803. 童らは刈るかや刈るか童らは(はした柴)
    804. 笠まるく着よ春はよきくるま坂(崑山集)
    805. 箆数(のかず)聞き狩取る鳥が雉子(きぎす)かの(毛吹草追加下、南何)
    806. 米々(よねよね)よ満ち満ちみ米々よ(紙屋川水車集、巻軸)
    807. 紐をのみよろこぶ比よ身の思(毛吹草追加下、南何)
    808. 紫竹根朽ちし紫竹根朽ちし(毛吹草追加下、春日何)
    809. 経(へ)難しと年月事を望むらむその男来つしとと従へ(吾吟我集10、廻文哥・恋)
    810. 絞(しぼり)かも帷子(かたびら)干(ひ)たかもがりぼし(毛吹草六、廻文之発句)
    811. 絵馬のみかそなはる花ぞ神の前(住吉みやげ)
    812. 絵馬のみか花見を見なば神の前(新編柳多留、五)
    813. 縞は糸よき着よと言はまし(毛吹草追加下、南何)
    814. 繁る葉のまた引けよ持つ孫の手の小松も余計玉のはるけし(廻文歌百首)
    815. 繁る葉の間や山のはるけし(魚の歌合)
    816. 繁る葉をかざして岩間闇くだく深山は出でじ坂も遙けし(藤原隆信朝臣集)
    817. 罪のきつつももつ月の水(世話焼草、五)
    818. 罪も消ゆらんむら雪も水(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    819. 群れ集ひ波の数よりどちらやら千鳥よすがの皆人つれむ(廻文歌百首)
    820. 群芝で見つつ摘み草名はしらじ花咲く見つつ摘みては知らむ(万載狂歌集、15)
    821. 群草に草の名はもしそなはらばなぞしも花の咲くに咲くらむ(詠草花古歌云、奥儀抄、一)
    822. 群草の名ははれむ哉(かな)千(ち)たびたびたちながむれば花のさくらむ(後撰夷曲集、廻文哥)
    823. 老(おい)の来つ雛の身のはし月の庵(いお)(柳風狂句合)
    824. 老の名は若(も)し友歳も花の庵(新編柳多留、17)
    825. 老の気は虫の音もしむ萩の庵(芦辺の鶴)
    826. 聞きしに十度(とたび)ひたと錦木(にしきぎ)(はした柴)
    827. 聟がねが来んむこがねがこむ(毛吹草追加下、南何)
    828. 腰撫でて形恥ぢたか父(てて)なし子(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    829. 至孝(しいこう)な子がはて我(わ/は)が子なう恋し(柳風狂句合)
    830. 色よくばただ取れとただ佩(は)く鎧(俳諧廻文百韻)
    831. 花の木かのけたき竹の垣の縄(毛吹草追加下、廻文之発句・崑山集)
    832. 花の木かむすびわび住むかきの縄(鷹筑波、二・崑山集)
    833. 花の木か手品をなして垣の縄(崑山集)
    834. 花の鈴なりせりせりな鈴の縄(毛吹草六、廻文之発句)
    835. 花花は葉な花花は花花葉(紙屋川水車集、第三)
    836. 若煙草わきよりよきはこばた川(はいかい磯の波)
    837. 若草の名は知らず見る友どちと戻る身すらし花の咲く川(野遊、廻文歌百首)
    838. 茎の香ぞ花にし似なば曽我の菊(世話焼草、五)
    839. 草くきの葉にふる霜に見やるなる闇にも著(しる)う庭の菊咲く(吾吟我集10、廻文歌、秋)
    840. 草の名は知らず珍し花の咲く
    841. 草むらに又偶(またたま)に蘭咲く(毛吹草追加下、春日何)
    842. 草も名はしれじやしれじ花も咲く(秋草花、崑山集)
    843. 草も餅ついくせのない(ひ)妻も子も待つ雛の節供(せつく)いづち桃咲く(廻文歌百首、上巳)
    844. 草茎の二度あれあとに野菊咲く(雑体句集)
    845. 菜かなづな引くを猶食ひ薺哉(鷹筑波、五)
    846. 菫(すみれ)咲くたま井やいまだくされ水(はした柴)
    847. 萩の戸か暗い(ひ)にひらく門(かど)の際(崑山集)
    848. 萩の間や続き咲きつつ山の際(狐の茶袋、三)
    849. 葉にのきつ枯木はきれか月の庭(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    850. 葉に理屈なは花つくり庭(毛吹草追加下、春日何)
    851. 葉の筋はしら糸いらじ蓮(はちす)の葉(毛吹草六、廻文之発句)
    852. 葉の黄なや垂れたしだれた柳の葉(毛吹草追加下、南何)
    853. 葉の黄なや贋(にせ)かや風に柳の葉(崑山集)
    854. 薬盛(も)りすぐくすりもり過ぐ(毛吹草追加下、春日何)
    855. 藪に葉のなびけたる様にぎはひは木にまさる竹雛の埴生(はにふ)や(廻文歌百首)
    856. 藻をのけい月影かきつ池の面(毛吹草六、廻文之発句)
    857. 藻をのけい玉藻をもまた池の面(毛吹草追加下、南何)
    858. 藻を除けい草花はさく池の面(崑山集)
    859. 虫ぞ音(ね)のしむ虫の音ぞしむ(紙屋川水車集、第四)
    860. 虫の音しるししるし音のしむ(毛吹草追加下、南何)
    861. 虫の音憎き聞くに音のしむ(毛吹草追加下、春日何)
    862. 虱撫(さす)るは春慰(すさみ)らし(世話焼草、五)
    863. 蚯蚓(みみず)なく音遠くなす耳(廻文俳諧之歌仙)
    864. 蛙の類か蛙の類か(毛吹草追加下、南何)
    865. 袈裟を着て羽柴暫(しばし)は敵を避け
    866. 袴(はかま)や濡らし知らぬ山川(俳諧廻文百韻)
    867. 見かけさばきて手際さげ髪(毛吹草追加下、春日何)
    868. 見し程すらも洩(もら)す乏しみ(廻文俳諧之歌仙)
    869. 見たか句を手際に吐きておく記念(かたみ)(新編柳多留、26)
    870. 見たか名は梅(むめ)と見とめむ花筺(夢見草、五)
    871. 見たか名は野な花々の花筺(かたみ)(毛吹草六、廻文之発句)
    872. 見たか花忠度(ただのり)の只名は形見(崑山集)
    873. 見つに嚊(かか)聞くにも憎き嚊に罪(芦辺の鶴)
    874. 見よ暦(こよみ)老(おい)が迎(むかい)を見よこよみ(紙屋川水車集、巻軸)
    875. 見る文(ふみ)よ黒髪かろくよみ古(ふる)み(紙屋川水車集、第一)
    876. 見世の木のぬけがらがけぬ軒の蝉(崑山集)
    877. 見文(みふみ)ふみふみ見文ふみふみ(紙屋川水車集、第三)
    878. 見聞けただ躍りより戸をたたけ君(紙屋川水車集、第五)
    879. 見馴れなば群鳥(むらとり)とらむはなれなみ(魚の歌合)
    880. 言の葉よ父母(ふも)をぞ思ふ夜半の床(紙屋川水車集、第二)
    881. 訪(と)ひ来寄りたか語りよき人(廻文俳諧之歌仙)
    882. 詠み送る友とし書きし俳諧歌(か)言わ(は)じ聞かじともどる句を見よ(視聴草、四集二)
    883. 詩の錦綴りやりつつ錦の詩(錦を一字としての回文、毛吹草追加下、南何)
    884. 詩をほむな白菊切らじなんぼ惜し(筆を手折詩を作る人の前にて、崑山集)
    885. 説け法(のり)の功徳もくどく法の化度(紙屋川水車集、第三)
    886. 誰か爰(ここ)借れた誰か爰借れた(紙屋川水車集、巻二)
    887. 象の来(き)あゆみ見ゆ秋の憂さ(廻文俳諧之歌仙)
    888. 貧しきのちは恥ぢのきし妻(俳諧廻文百韻)
    889. 貧なれば理も苦も曇はれなん日(紙屋川水車集、第二)
    890. 足る方得(う)ると取る歌がるた(廻文俳諧之歌仙)
    891. 身の友をかこちし児(ちご)かおもとの実(廻文俳諧之歌仙)
    892. 身の品はただ只話のみ(毛吹草追加下、南何)
    893. 身の文武臣下と感じ文武のみ(紙屋川水車集、第九)
    894. 身やきつさ頭痛もうつつさ月やみ(世話焼草、五)
    895. 身を楽さのどかに門(かど)のさくらを見(廻文歌百首)
    896. 身軽な鳴かななかな鳴神(世話焼草、五)
    897. 躰(てい)も見よ哥(うた)今いたう読みも居て(毛吹草追加下、春日何)
    898. 輪にのるは馬のこのまん春の場(にわ)(毛吹草六、廻文之発句)
    899. 連れの気々母の忍ばば木々の列(折句庫)
    900. 連れは来つ夜ながくかなよ月晴れつ(崑山集)
    901. 道々見おき露月を道みち見(紙屋川水車集、第二)
    902. 道理(たうり)まで長閑や門の手鞠歌(峯の嵐)
    903. 違いなば水泡(みなは)や花見はな筏(毛吹草六、廻文之発句)
    904. 遠くただ軒端(のきば)を萩のたたく音(入舩狂句合)
    905. 遠のかじ妻しばし待つ鹿の音(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    906. 遠のかじ逃がす春日の鹿の音(夢見草、五)
    907. 遠のきし聞かばや羽掻き鴫(しぎ)のおと(崑山集)
    908. 遠のくか鶯(うぐいす)低う楽の音(毛吹草追加下、廻文之発句)
    909. 遠のみな稍(やや)寒さ稍波の音(世話焼草、五)
    910. 遠の鈴虫染(し)む鈴の音(俳諧廻文百韻)
    911. 遠の音(ね)はのどかな門の羽根の音(をと)(さし柳)
    912. 選り栗よ柿とる時か選り栗よ(紙屋川水車集、第四)
    913. 都鄙都鄙(とひとひ)やすややすや人々(紙屋川水車集、巻軸)
    914. 酢々々々々々々々々々(紙屋川水車集、巻軸)
    915. 野もくらむ傘借る傘か村雲の(如何)
    916. 野もせくたぶれ猟(れふ)た曲者(くせもの)(紙屋川水車集、第二)
    917. 野岸に山ややまやにしき野(紙屋川水車集、第三)
    918. 鈴のねか立つ鷹立つたかねのすず(鷹)(崑山集)
    919. 鈴のみが音をし音を神の鈴(毛吹草追加下、南何)
    920. 鑓(やり)安鑓や鑓やすやりや(紙屋川水車集、第二)
    921. 長きをし冬しばしゆふ塩木哉(毛吹草六、廻文之発句)
    922. 長き名やたまのせのまた柳かな(魚の歌合)
    923. 長き哉野路生(のぢふ)の藤の長き哉(世話焼草、五)
    924. 長き夜(や)はくだかけかたくはやき哉(世話焼草、五)
    925. 長き夜ぞ軒端に萩のそよぎ哉
    926. 長き夜の来つ月のよきかな(廻文俳諧之歌仙)
    927. 長き夜の狐こそ来(こ)ね月のよきかな
    928. 長き夜の遠の眠りの皆目ざめ波乗り船の音のよきかな(日本風土記、五、文辞)
    929. 長き夜の野面(のも)遙かにてそまくらくまそでに刈るは物のよきかな(藤原隆信朝臣集)
    930. 長き暴風(しけ)菊には憎きけしきかな(如鶴評万句合)
    931. 長き池清き月よき景気かな(夢見草、五)
    932. 長き納屋南に南柳かな
    933. 長き続きの軒つづきかな(廻文俳諧之歌仙)
    934. 長き葉に伸びる春日の庭木かな
    935. 長く名は残り有りこの花供かな(高野の花供に古を思ひ出て、崑山集)
    936. 長ごとをのべる春辺の男かな(廻文俳諧之歌仙・俳諧廻文帖)
    937. 長し日のいつのひまにかのぼる鶴ほのかに舞のついのびしかな(廻文歌百首)
    938. 長寝もと鴨買ひ鴨が友寝哉(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    939. 長居する妻は母待つ留守居かな
    940. 長居する酒飲みの今朝留守居かな(たねふくべ、六)
    941. 長居ますのどかな門(かど)のすまい哉(かな)(崑山集)
    942. 長岸に草花は咲く錦かな(夢見草、五)
    943. 長崎やのどかな門(かど)の焼肴(芭蕉の作との説あり)
    944. 長座敷今朝過す酒雉子肴(崑山集)
    945. 長旅もつい遅き春友どちと戻るは木曾をいつも日高な(廻文歌百首)
    946. 長月を清見にみよき興津哉(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    947. 長火縄もて頭(つぶり)ふっても花火哉(はした柴)
    948. 長筋は白糸いらじ蓮(はちす)かな(世話焼草、五)
    949. 長糸も軒な柳のもといかな(崑山集)
    950. 長縄を張るをも折るは尾花かな(夢見草、五)
    951. 長菜つみ春うりうるは水菜哉(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    952. 長薺(なづな)のぞみ菜溝の薺かな(菜の字七つ置きて、夢見草、五)
    953. 長薺引くものも食い(ひ)なずな哉(世話焼草、五)
    954. 長言(ながごと)をきくに小憎き男かな(磯の波)
    955. 長門なは軒端も萩の花戸哉(崑山集)
    956. 閑(しづか)さや若葉に若葉八坂辻(はした柴)
    957. 間夫(まぶ)と恋ひ能(よ)い間に毎夜日毎不間(ぶま)(芦辺の鶴)
    958. 闇のみか見よき月よみ神の宮(立圃句集、下)
    959. 闇のみよ来つ月読の宮(紙屋川水車集、第一)
    960. 隣まで白歯気晴らし手鞠など(折句紀の玉川、四)
    961. 雉子(きぎす)とぶ山の端(は)の間(ま)やふと過ぎき(廻文俳諧之歌仙)
    962. 雪ぞ消ゆただ春はただ雪ぞ消ゆ(残雪、崑山集)
    963. 雪とくとくととくとくと消ゆ(毛吹草追加下、南何)
    964. 雪と積みいつからかつい水と消ゆ(磯の波)
    965. 雪に討ち晴らし義士らは忠(ちう)に消ゆ(柳風狂句合)
    966. 雪八分崩れ晴れ透(す)く不二(ふぢ)は消ゆ(芦辺の鶴)
    967. 霜おくなかばはかなくをもし(毛吹草追加下、春日何)
    968. 霞に見ずよ四隅に御簾(みす)か(毛吹草追加下、春日何)
    969. 音長閑(のどか)くるか手軽く門(かど)の戸を(雑体句集)
    970. 須磨凪(なぎ)をよろこぶ頃よ沖鱠(なます)(はした柴)
    971. 頓(やが)て出しやれ吊れ吊れや仕立蚊帳(崑山集)
    972. 頭巾着つ寒さや寒さ頭巾着つ(崑山集)
    973. 頻(しき)りふり来し頻りふり来し(紙屋川水車集、第五)
    974. 頼みつつ民のたのみ田堤(つつみ)の田(毛吹草追加下、南何)
    975. 願はくは泉の水井湧くは金(とはず口)
    976. 風川(かは)西に西には風か(毛吹草追加下、南何)
    977. 飛び退きつ砧は狸月の人(俳風桜多留、三)
    978. 飯に噎(む)せ頤(をとがひ)かどを膳にしめ(俳諧廻文百韻)
    979. 馬子乗るは無体ぞいたむ春の駒(毛吹草六、廻文之発句)
    980. 駅(むま)悩まむ駅悩まむ(俳諧廻文百韻)
    981. 高い出洲葭切(よしきり)来しよ捨筏(いかだ)(新編柳多留、13)
    982. 高やのう(なふ)波寄るよ皆鮒屋形(毛吹草追加下、春日何)
    983. 高帆尾際(たかほおきわ)の野分大形(世話焼草、五)
    984. 魚梁(やな)深津春とく取るは束鮒(つかふな)や(紙屋川水車集、第五)
    985. 鯛なまこいさざに栄螺(さざい)小爼板(まないた)(花もん日)
    986. 鯛なまこ料(れう)れや料れ小爼板(毛吹草追加下、廻文之発句・紙屋川水車集、第五)
    987. 鯛生(なま)切れか枯木爼板(まないた)(享保12年信州万句合、廻文歌仙)
    988. 鳥帰るとも戻るべかりと(廻文俳諧之歌仙)
    989. 鴫たたば気は沢騒ぎ羽たたきし(紙屋川水車集、第四)
    990. 鷹野今日(けふ)勢子をばおこせ武家の方(毛吹草追加下、春日何)
    991. 鷹野今日むら鳥とらんぶけの方(毛吹草六、廻文之発句・崑山集)
    992. 鹿あよみ来るあれあるく見よあかし(紙屋川水車集、第二)
    993. 鹿が出た彼方は田中立て案山子(かかし)(毛吹草追加下、春日何)
    994. 鹿ぞかししか友とかし鹿ぞかし(紙屋川水車集、第三)
    995. 鹿ぞ棲む田舎気(け)のない息子(むす)ぞかし(磯の波)
    996. 鹿ぞ聞き知りてぞ照りし木々ざかし(廻文俳諧之歌仙)
    997. 鹿の角(つの)かし鹿の角(つの)かし(紙屋川水車集、第一)
    998. 鹿笛の草の穂の咲く野辺探し(新編柳多留、24)
    999. 鹿追うおかししか追うおかし(紙屋川水車集、第七)
    1000. 鹿除けに小田刈るかたをにげよかし(崑山集)

 

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