6 中世悪魔学(Pseudepigrapha / Grimoires / Occult)由来の堕天使
- Asmodeus(アスモデウス)
トビト書では悪霊、後世の悪魔学で「堕天した大悪魔」。色欲の王と呼ばれる。 - Belphegor(ベルフェゴール)
もとはモアブの神「バアル・ペオル」が悪魔化した存在。発明と堕落の天使。 - Adramelech(アドラメレク)
アッシリアの太陽神が悪魔化した堕天使。地獄の参議とされる。 - Abalam(アバラム)
ベリアルの側近として悪魔学文献に登場する堕天使。 - Balam(バラム)
三つ首の悪魔として描かれる堕天使。遠見の力を持つ。 - Bernael(ベルナエル)
暗闇の天使。中世の悪魔文献で堕天使として記録. - Furfur(フルフル)
ゴエティアにも登場するが、中世悪魔辞典で「堕天した火の天使」と強調される。 - Gadreel(ガドリエル)
エノク書の堕天使で、後世の悪魔文献でも悪魔化される。 - Onoskelis(オノスケリス)
脚がヤギの女性堕天使。誘惑と幻惑を司る。 - Obyzouth(オビズース)
新生児を狙う女性の悪魔で、堕天した夜の霊とされる。 - Lamashtu(ラマシュトゥ)
メソポタミアの悪霊が中世悪魔学で堕天使化。乳児を襲う存在。 - Valak(ヴァラク)
72柱にも含まれるが、中世文献で “堕天使としての詳細性格” が強く記録される。 - Sorath(ソラト)
数字666に関連する堕天使。太陽破壊の象徴。 - Wormwood(ワームウッド)
黙示録の「苦よもぎ」の星が、悪魔文献で堕天使化された存在。 - Xaphan(ザファン)
天界の燃料庫に火をつけて反逆した堕天使。地獄の火を絶やさぬ役割。 - Rahab(ラハブ)
海の混沌の天使が堕落した存在として、中世悪魔学に取り込まれる。 - Lix Tetrax(リクス・テトラックス)
ソロモンの魔術書で登場する風の堕天使。 - Penemue(ペネムエ)
書物の天使。エノク書出典だが、中世で悪魔化された。 - Purah(プラー)
忘却と死者との交信を司る堕天使として悪魔辞典に記録。 - Pharzuph(ファーザフ)
淫蕩と情欲を司る堕天使。 - Naamah(ナアマ)
カバラ由来だが中世悪魔辞典で堕天女性として再解釈された。 - Gaap(ガープ)
72柱よりも古い悪魔文献で堕天使として扱われる。 - Malpas(マルパス)
カラスの姿で現れる堕天した建築の悪霊。 - Vepar(ヴェパル)
72柱と並行して、海の災厄を司る堕天使と記述される。
7 女性堕天使・夜の霊(Lilith 系・外典・魔術書)
- Lilith(リリス)
夜の女王。アダムの最初の妻とされ、天界を離れたことで“堕天した女性の代表”となる。 - Naamah(ナアマ / Nahema)
カバラでは堕落した女性天使の一人。人間と天使を誘惑したとされる。 - Agrat bat Mahlat(アグラト・バト・マハラト)
夜の女悪霊のひとり。誘惑と狂気を司る堕天女性。 - Eisheth Zenunim(エイシェト・ゼヌニム)
淫蕩(性愛)を司る堕天した女性霊。4人の夜の女王の一柱。 - Onoskelis(オノスケリス)
“ヤギ脚の女”。ソロモンの魔法書に登場する堕天した女性的存在。 - Obyzouth(オビズース)
新生児の死をもたらす堕天女性として記録される。 - Gremory(グレモリー / Gomory)
72柱では女性の姿で現れる堕天した高位の悪魔。 - Marchosias(マルコシアス)
72柱に登場する女性戦士の堕天使(狼の姿で現れる)。 - Naamah the Demoness(悪魔ナアマ)
カバラではリリスとともに“堕天した母性の悪霊”として語られる。 - Pizna(ピズナ)
ユダヤ伝承に登場する堕天女性霊。女性と子の守護が逆転した存在。 - Batna(バトナ)
夜の霊の一柱で、誘惑と幻惑を司る堕天女性。
8 通常“堕天使扱い”だが、実際には象徴的/比喩的存在
- Leviathan(リヴァイアサン)
旧約の海の怪物が中世悪魔学で“堕天した海の王”と再分類。 - Behemoth(ベヒモス)
旧約聖書の巨大獣。悪魔辞典で堕天使の一部として扱われるようになった。 - Wormwood(ワームウッド)
黙示録の「苦よもぎの星」。象徴だったが後に堕天使化。 - Phoenix(フェニックス)
72柱に登場するが、元は神話の霊鳥。堕天使かは後世解釈。 - Vepar(ヴェパル)
海の悪霊が悪魔書で堕天使扱いへ変化したケース。 - Kunopegos(クノペゴス)
海馬(シーホース)型の精霊がグリモアで堕天使として扱われる。 - Behemoth(再掲)
神話獣が悪魔学では“地獄の食客”として位置づけられる。 - Rahab(ラハブ)
混沌の海の象徴が悪魔書で堕天使化(ユダヤ・イスラーム伝承に跨る)。 - Ziz(ジズ)
天空の巨大鳥が悪魔文献で「堕天した巨鳥」と再分類される場合がある。 - Mermaids / Sirens(人魚・セイレーン)
中世悪魔学で海の堕天使の眷属とされた(Vepar 系の影響)。 - Ancient Pagan Gods(多神教の神々)
バアル(Baal)・モロク(Moloch)など、元は神だったが悪魔学で堕天使扱いへ。 - Apollyon(アポリオン)
聖書では“破壊の天使”だが、中世悪魔学で悪魔化が進み堕天扱いされる。
堕天使は“失われた光”の象徴
堕天使は、堕ちた存在でありながら、
人間の弱さや葛藤、希望や野心の象徴として語られてきました。
聖書・外典・エノク書から、カバラ、イスラーム、ゴエティアに至るまで、
数千年にわたり人々の思想・物語・創作に影響を与えてきた象徴的な存在です。
創作に使いたい人も、歴史を深く理解したい人も、これを入口に、あなたの世界観をさらに広げてみてください。
FAQ よくある質問
堕天使にはどんな天使がいますか?
堕天使には、サタンやアバドンなど聖書に登場する存在から、エノク書の堕天使200名、カバラの堕天使、ゴエティア72柱などがいます。文献によって名前や役割が異なります。
エノク書にはどんな堕天使が登場しますか?
エノク書には、セムヤザ、アザゼル、バラキエル、コカビエル、サリエルなど、堕天使200名が登場します。彼らは人間に天文学や魔術、金属加工などの知識を教えたとされています。
有名な堕天使の名前にはどんなものがありますか?
有名な堕天使には、サタン、ベルゼブブ、アスモデウス、アスタロト、アバドンなどがいます。名前には「反逆」「破壊」「誘惑」など象徴的な意味が込められています。

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