日本の神話や神道には、多くの水の神々が登場します。これらの神々は、古くから日本人の生活に深く根付いており、農業や自然環境の保護、水の恵みを象徴しています。本記事では、日本の代表的な水の神々を詳しく紹介し、それぞれの神の特徴や役割について解説します。
日本の水の神様一覧
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
罔象女神 (みつはのめのかみ)
特徴と役割 罔象女神は、水の神として清らかな水を象徴する女神です。丹生川上神社(奈良県吉野郡)などで淤加美神とともに祀られているほか、各地の神社で配祀神として祀られている。日本における代表的な水の神(水神)。
闇淤加美神 (くらおかみのかみ)
特徴と役割 暗闇の水の神として、地下水や地下に流れる水を司ります。大地の奥深くから湧き出る水源を守る重要な存在です。
高淤加美神 (たかおかみのかみ)
特徴と役割 高地の水を司る神で、高い場所に湧き出る泉などの水源を守ります。山岳信仰と深く結びついています。
闇罔象神 (くらみつはのかみ)
特徴と役割 闇龗神(くらおかみのかみ)とともに祈雨(きう)、止雨(しう)、灌漑の神として信仰されています。農業や生活用水の確保に重要な役割を果たします。
天之水分神 (あめのみくまりのかみ)・国之水分神 (くにのみくまりのかみ)
特徴と役割 分水や分水嶺の神で、水の分配や流れを管理します。水源の分布を守り、適切な水の利用を促します。
水にかかわる神ということで祈雨の対象ともされ、また、田の神や、水源地に祀られるものは山の神とも結びついた。後に、「みくまり」が「みこもり(御子守)」と解され、子供の守護神、子授け・安産の神としても信仰されるようになった。
瀬織津姫神 (せおりつひめのかみ)
特徴と役割 祓戸大神(はらえどのおおかみ)の一柱で、人の穢れを清める神です。罪や穢れを川から海に流す役割を担う神様。
橋姫
特徴と役割 橋にまつわる日本の伝承に現れる女性・鬼女・女神である。主に古くからある大きな橋では、橋姫が外敵の侵入を防ぐ橋の守護神として祀られている。古くは水神信仰の一つとされ、橋の袂に男女二神を祀ったことが始まりともいわれている。
日河比売 (ひかわひめ)
特徴と役割 『古事記』にのみ登場する神で、水神である淤加美神の娘。霊力のある川に仕える巫女で、川の神聖な力を伝えます。水の霊的な側面を象徴します。
淤加美神の娘で、八島士奴美神の子の布波能母遅久奴須奴神との間に深淵之水夜礼花神を生んでいる。
深淵之水夜礼花神 (ふかふちのみずやれいかのかみ)
特徴と役割 『古事記』にのみ登場する神で、名称や系譜以外特に事績に関する記述はない。十七世神(とおまりななよのかみ)の一柱である国津神。
水に縁のある神であると考えられるが、詳細は未詳。
天之都度閇知泥神 (あめのつどへちねのかみ)
特徴と役割 『古事記』において深淵之水夜礼花神の妻とされる。名義未詳とされるが、「天之」は天津神ではなく水源を考慮して冠せられたもの、「都度閇」は「集え」で、目に見えない神力によって集められること、「知」は「道」で、ここでは水路、「泥」は親称で、「天上界の集められた水路」となる。
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天之久比奢母智神 (あめのくひさもちのかみ)・国之久比奢母智神 (くにのくひさもちのかみ)
特徴と役割 瓢(ひさご)や灌漑の神で、農業用水の管理を担います。豊かな収穫を支える神です。
泣澤女神 (なきさわのめのかみ)
特徴と役割 畝尾都多本神社に泣沢という井戸があり、その井戸が御神体として祀られている。この事から、ナキサワメは大和三山の一つである香具山の麓の畝傍から湧き出る井戸の神様ということになる。井戸の中には、ナキサワメが流した涙があるといわれている。
太古の日本には、巫女が涙を流し死者を弔う儀式が存在し、そのような巫女の事を泣き女という。この儀式は死者を弔うだけではなく魂振りの呪術でもあった。泣き女は神と人間との間を繋ぐ巫女だった。ナキサワメは泣き女の役割が神格化したものとも言われており、出産、延命長寿など生命の再生に関わる信仰を集めている。また、雨は天地の涙とする説があり降雨の神様としても知られている。
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善女竜王 (ぜんにょりゅうおう)
特徴と役割 善女竜王に関する伝説や物語も数多く存在します。彼女が水を司る竜として登場する話や、村を救った話などが語り継がれています。これらの物語は、彼女の慈悲深さや力強さを伝えるものであり、信仰を深める役割を果たしています。
善女竜王は、雨乞いの儀式においても重要な存在です。干ばつの際には、彼女に祈りを捧げることで雨を降らせると信じられています。特に農業において、水は命の源であり、彼女の存在は非常に重要です。
武美名別命(たけみなわけのみこと)
特徴と役割 武水別神社の祭神として知られる武水別大神(たけみずわけのおおかみ)と同神であると考えられる。
聖山に鎮座した水神で、山岳信仰と結びついています。水源の守護者です。
建御名方神 (たけみなかたのかみ)
特徴と役割 日本神話における重要な神の一柱で、特に長野県の諏訪地方で深く信仰されています。建御名方神は多面的な役割を持ち、武神、風神、農耕神としての性格を持ちながら、水神としても信仰されています。
建御名方神は、大国主命(おおくにぬしのみこと)の子供とされ、母は高津姫命(たかつひめのみこと)です。大国主命が国譲りを行った際、建御名方神は天照大神(あまてらすおおみかみ)の使者である建御雷神(たけみかづちのかみ)と対決し、敗北して諏訪の地に退きました。この神話は『古事記』や『日本書紀』に記されています。
建御名方神は諏訪大社(すわたいしゃ)の主祭神として祀られており、諏訪大社は上社と下社の二つの主要な神社から構成されています。諏訪大社は古くから信仰の対象であり、特に農業や狩猟、武術に関わる人々に信仰されてきました。
日本の水の神々は、古代から現代に至るまで、私たちの生活や自然環境に深く関わり続けています。これらの神々を知ることで、日本の文化や信仰についての理解が深まることでしょう。水の恵みとそれを守る神々に感謝しつつ、日々の生活を大切にしていきましょう。
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