夏を彩る美しい日本語105選|古典の中の風物・自然・心を表すことば集

7. 夏に関連する漢語・漢詩語

中国古典や漢詩に由来する夏の言葉も、漢文や漢詩の中で味わい深く登場します。文学的・文語的な響きをもつこれらの語も押さえておきましょう。

  1. 暑気(しょき)
    夏の暑さ。体にこたえる熱気を含む表現。
  2. 納涼(のうりょう)
    暑さをしのいで涼を楽しむこと。詩や文章にもよく用いられる漢語。
  3. 避暑(ひしょ)
    暑さを避けて山や水辺など涼しい所へ行くこと。上流階級の風習として登場。
  4. 清涼(せいりょう)
    涼しくさわやかな様子。詩文の中では理想の自然状態として描かれる。
  5. 涼風(りょうふう)
    清らかな風。暑気を和らげる自然の恵みとして表される。
  6. 炎陽(えんよう)
    燃え立つような太陽。非常に強い日差しを表す漢語的表現。
  7. 長夏(ちょうか)
    暑さが長く続く夏のこと。時間感覚を強調した表現。
  8. 盛夏(せいか)
    夏の真っ盛り。漢詩や挨拶文でも使われる正式な言い回し。
  9. 夏令(かれい)
    夏の季節。古典文や詩文中での季語・挨拶語。
  10. 夏雲(かうん)
    夏空に浮かぶ雲。入道雲や白雲など、雄大な風景を詠む言葉。
  11. 流火(りゅうか)
    流れる火のような赤い夕焼け、または強烈な夏の太陽。詩的表現。
  12. 暑中(しょちゅう)
    最も暑い時期。書簡などでは「暑中見舞い」としても用いられる。
  13. 三伏(さんぷく)
    中国暦における一年で最も暑い時期。伏は「伏す」の意。
  14. 荷風(かふう)
    蓮の葉を渡る風。漢詩でよく見られる涼感ある表現。
  15. 夏景(かけい)
    夏の景色。風物や色彩を総合的に表現する言葉。

 

言葉がくれる、静かな涼

古典の中で語られる夏のことばは、単なる季節の表現を超え、私たちの心の奥に響く情景や感情を伝えてくれます。
現代の生活の中でも、ふとした瞬間に「短夜」や「涼風」という言葉を思い出すことで、目の前の風景が少し特別に感じられるかもしれません。

この105語のことばが、夏に彩りと静けさを添える存在になりますように。
少しずつ、ひとつずつ。言葉を味わいながら、古典が紡ぐ日本の夏に寄り添ってみてください。

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季節・風物詩

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