春は、心も空気もやわらかく解けていくような季節です。
木々が芽吹き、花が咲き、虫が鳴き始め、人々の暮らしにも変化が訪れる――そんな豊かな春を、「春の言葉」で表してみませんか?
ここでは、自然、暮らし、心情、そして古典文学の中に見られる春を美しく描いた日本語表現105選を、7つのテーマに分けてご紹介します。
言葉を通して、春の風や光を感じてみましょう。
春の美しさを感じる日本語105選
1. 季節そのものを表す言葉
春という季節の訪れや移ろいを、直接的に捉えた言葉たち。日本語の繊細な感性が宿ります。
- 春(はる)
一年のうち、寒さが和らぎ新しい命が芽吹く季節。 - 春風(はるかぜ)
春に吹くおだやかであたたかな風。希望を運ぶような印象があります。 - 春霞(はるがすみ)
春に山や野がぼんやりと霞んで見える現象。風情ある景色の代表です。 - 春光(しゅんこう)
春の日差し。やわらかく明るい光を指します。 - 春日(はるひ)
春のあたたかな日。うららかな日和を表します。 - 春色(しゅんしょく)
春らしい色彩や雰囲気。桃色や淡い緑など、やさしい色合い。 - 春宵(しゅんしょう)
春の夜。ほのかに暖かく、しっとりとした美しさがあります。 - 春の訪れ(はるのおとずれ)
春がやって来たことを感じる瞬間。 - 早春(そうしゅん)
春の始まりのころ。まだ寒さが残る中、春を感じ始める時期。 - 仲春(ちゅうしゅん)
春の中ごろ、旧暦2月のこと。春たけなわの時期です。 - 晩春(ばんしゅん)
春の終わり、旧暦3月のころ。初夏の気配が感じられます。 - 三春(さんしゅん)
旧暦で春にあたる三か月(正月・二月・三月)の総称。 - 春暖(しゅんだん)
春の暖かさ。穏やかで人の心も和らぐような気候。 - 陽春(ようしゅん)
日差しの明るい春のこと。特に旧暦2月を指すこともあります。 - 春爛漫(はるらんまん)
花が咲き誇り、春が盛りを迎えた様子。生命力にあふれた表現。
2. 草木や花に関する言葉
桜をはじめとする春の草花は、春の象徴。自然の息吹を感じさせる表現が豊富です。
- 桜(さくら)
春の代表的な花。日本の春を象徴する存在です。 - 梅(うめ)
春の訪れをいち早く告げる香り高い花。 - 菜の花(なのはな)
鮮やかな黄色い花。春の田園風景に彩りを添えます。 - 若葉(わかば)
春に芽吹くみずみずしい葉。生命の息吹を感じさせます。 - 新緑(しんりょく)
初々しい緑の葉が一斉に芽吹いた様子。 - 草萌ゆ(くさもゆ)
草が芽を出し始める様子。万葉集にも登場する春の情景です。 - 柳の芽(やなぎのめ)
春にふわりと芽吹く柳の新芽。しなやかな風情があります。 - 山笑う(やまわらう)
春になり、山々が緑に包まれ、まるで笑っているように見えること。 - 花吹雪(はなふぶき)
桜の花びらが風に舞う様子。儚くも美しい春の象徴。 - 花の盛り(はなのさかり)
花が満開となる時期。春爛漫の中でも特に華やかなとき。 - 桜前線(さくらぜんせん)
日本列島を北上する桜の開花予想ライン。 - 春蘭(しゅんらん)
春に咲く野生の蘭。静かな美しさを持つ花です。 - 椿(つばき)
冬から春にかけて咲く艶やかな花。古典でも多く詠まれています。 - 桃の花(もものはな)
春の節句に飾られる花。華やかさとともに女性らしさを象徴します。 - 木の芽時(このめどき)
木々が芽吹く季節。春の訪れを肌で感じるとき。
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