7. 文学作品に登場する語や人物名より
古典文学の登場人物や、それらの作品で使われる美しい言葉には、時代を超えて心を打つ響きがあります。このカテゴリでは、人物名そのものや関連語から着想を得た、中性的で意味深い名前を選びました。
- 光(ひかる)
『源氏物語』の「光源氏」より。光り輝く存在でありながら、繊細な内面ももつ名。 - 夕顔(ゆうがお)
『源氏物語』の儚く美しい女性。「幽玄」「夢」の象徴的存在。 - 浮舟(うきふね)
『源氏物語』の末期を飾る女性。浮世に漂うようなはかなさを帯びた名。 - 若紫(わかむらさき)
紫の上の少女時代の呼び名。若さと上品さを併せ持つ。 - 明石(あかし)
源氏の物語に登場する気品ある女性。海辺の地名でもあり、響きが柔らか。 - 空蝉(うつせみ)
『源氏物語』の女性名でもあり、抜け殻のように儚い存在を象徴する言葉。 - 青鈍(あおにび)
『枕草子』にも登場する色名。「にび色」とは深い青みがかった灰色。 - 春宮(とうぐう)
皇太子の称号。古典でよく登場し、未来・希望の象徴。 - 宮子(みやこ)
『万葉集』の高市皇子の妃。深い愛情と悲哀を背負った名。 - 信夫(しのぶ)
『伊勢物語』の中でも詠まれる植物名であり、忍ぶ恋を連想させる語。 - 鈴虫(すずむし)
『源氏物語』の巻名でもあり、秋の夜の儚い音色を象徴。 - 雪の下(ゆきのした)
枕草子に登場する花の名。冬の冷たさの中にある清らかさ。 - 小柴垣(こしばがき)
『伊勢物語』の有名な場面。控えめな美、見え隠れする情緒。 - 常夏(とこなつ)
『源氏物語』の巻名。なでしこの花の異名。永遠の夏=変わらぬ愛。 - 梓弓(あずさゆみ)
『伊勢物語』などに登場。旅立ちや想いを射る象徴的なアイテム。 - 匂宮(におうのみや)
『源氏物語』の二世代目ヒーロー的存在。香り高き存在。 - 花散里(はなちるさと)
源氏の物語の中に生きる静かな知性と優しさの象徴。 - 直衣(なおし)
貴族が日常で着用した装束名。柔らかな響きが中性的。 - 夕霧(ゆうぎり)
源氏の子。「霧」と「夕」の組み合わせが幻想的で情感ある名。 - 玉鬘(たまかずら)
源氏の養女。美貌と高貴な出生をもつが、運命に翻弄される存在。
目次
和の情緒を、名に込めて。
名前には、力があります。
音の響き、意味、字面、そのすべてが人に印象を与え、物語を紡ぎます。
特に「古典に由来する中性的な名前」は、性別に縛られない柔らかさと、古来から愛された言葉の奥深さを兼ね備えています。
名前を贈ることは、小さな祈りを贈ること。
名付け、創作、ブランドネーミングにおいて、「和」の力を感じる名前が、あなたの想いや世界観をやさしく包み込みますように。
ぜひ、この120の名前の中から、あなたの感性に響く「たった一つの名前」を見つけてください。
FAQ よくある質問
Q1: 古典文学由来の中性的な名前とはどんなもの?
A1: 古典文学に登場する自然、季節、心情、色や香り、月や星などの語彙をもとに、性別にこだわらない響きと意味を持つ名前のことです。柔らかな和の情緒が今もなお響き、名付けや創作キャラクターに適しています。
Q2: 名付けや創作に使う際の注意点は?
A2: 漢字の意味や読み方の意味、字画、姓名判断などに配慮する必要があります。また、性別を問わない名前でも、社会的にどのように受け取られるかを意識することが大切です。
Q3: 古典由来の名前は現代でも通用する?
A3: はい。例えば「蓮」「蒼」「凛」「葵」「悠」「空」など、古語・古典を起源としつつ、現代でも男女問わず人気が高いです 。
Q4: 名付け目的と創作キャラ名での使い分けは?
A4: 実在の名付けなら「響きの柔らかさ、字画、社会的受容」を重視。創作キャラなら「名前の由来とキャラの性格や世界観との一致」を優先し、意図的に性別を曖昧にする演出も有効です 。
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