和風の中性的な名前120選|大和言葉・古典文学から名付けのヒントを

5. 色と香りのことば

和の文化には「色」や「香り」にまつわる美しい語彙が数多く存在します。このカテゴリでは、そうした感覚的な言葉から生まれた名前を中心に、繊細で中性的な魅力をもつ名前を選びました。

  1. 瑠璃(るり) – 瑠璃色の宝石の名。仏教では極楽浄土を象徴する色。
  2. 薄香(うすこう) – ほんのりと漂う香り。やさしく儚い印象。
  3. 浅緋(あさあけ) – 淡い赤。柔らかく、どこか切なさも感じさせる色。
  4. 練香(ねりこう) – 香を練り固めたもの。平安の雅を感じる名前。
  5. 真朱(まそほ) – 古代の赤。「まそほの帯」などで用いられた雅語。
  6. 白檀(びゃくだん) – 香木のひとつ。気品ある香りと印象。
  7. 青藍(せいらん) – 藍の深い青。「静けさ」と「深さ」を感じる色名。
  8. 紅梅(こうばい) – 赤みを帯びた梅の花。春の訪れを知らせる香と色。
  9. 藤音(ふじね) – 藤の花の色と風にゆれる音。柔らかく幻想的。
  10. 胡粉(ごふん) – 日本画にも使われた白色。やや粉っぽく品ある白。
  11. 香(かおる) – 香りそのものを名にした、中性的で優美な響き。
  12. 若緑(わかみどり) – 若葉のような鮮やかな緑。成長と清新さを象徴。
  13. 薫(くん/かおる) – 古語「薫ず(くんず)」より。香気が漂う様。
  14. 香色(こうしょく) – 香りが感じられるようなやわらかな色。
  15. 橙光(とうこう) – 柑橘のような温かみのある光と香り。
  16. 山吹(やまぶき) – 春に咲く黄色の花。華やかさと品のある響き。
  17. 萩原(はぎわら) – 秋の七草「萩」に由来。野の風情と優しさ。
  18. 桧(ひのき) – 日本固有の香木。清々しさと和の象徴。
  19. 露草(つゆくさ) – 朝露の中で咲く青い花。短命ながら清らかな印象。
  20. 伽羅(きゃら) – 香木の最高級品。深く落ち着いた香りの名。

 

6. 心の情景・ことのはより

「もののあはれ」や「いとおかし」といった、感情の繊細な揺らぎを表す言葉たち。人の心の機微を映し出す言葉の中から、性別を問わず心に響くような、詩的な名前を取り上げます。

  1. あはれ – 深い情感。「もののあはれ」の語源。感受性の象徴。
  2. ゆかし – 「心ひかれる」「知りたい」といった思慕の気持ち。
  3. なつかし – 心惹かれ、忘れがたい気持ちを表す。温かな響き。
  4. こよひ – 今宵。特別な夜を思わせる、心に残る一夜。
  5. いざよい – 十六夜の月。満ちきらぬ美、ためらいの心。
  6. しのぶ – 思いをこらえる、ひそかに想いを寄せる意味。
  7. うたかた – 泡沫。はかないものの象徴。美しい儚さの名。
  8. ほのぼの – 静かにあたたかく広がる心の情景。
  9. かなで – 「奏でる」に由来。感情や想いを音に込める。
  10. いろは – 仮名のはじまりの歌。教養と情緒の象徴的存在。
  11. おもひ – 思い・想い。恋、願い、祈りすべてを含む語。
  12. こよみ – 暦。時の流れを大切にする、情緒ある名。
  13. ことね – 言葉の音。心を伝える、響きある名前。
  14. しづか – 静か、平穏。落ち着いたこころの状態。
  15. つきよ – 月の夜。恋や孤独、幻想などさまざまな感情を抱く時間。
  16. ゆふべ – 夕暮れ。過ぎゆくものへの郷愁や切なさを含む。
  17. あけぼの – 明け方。新たな始まりと期待を象徴する。
  18. たまゆら – ほんのわずかな時間。はかなさと美の象徴。
  19. こいね – 恋音・乞音などに読ませる造語的な名。音にのせた想い。
  20. いにしえ – 過去・古の時代。時を越えた情感をもつ名。
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