2. 雪の積もり方・積もった後の状態を表す言葉とは?
雪が積もったあとの様子には、時間の経過や気温の変化によって微妙な違いが現れます。「新雪」や「粗目雪」のように、雪の鮮度や質感、積もり具合によって異なる名称が使われます。
- 新雪(しんせつ):降ったばかりで手つかずの雪。結晶が壊れず美しく積もっている。
- 薄雪(うすゆき):地面が透けて見える程度にうっすら積もった雪。
- 深雪(しんせつ・みゆき):深く降り積もった雪。豪雪地帯で見られることが多い。
- 締雪(しまりゆき):時間の経過とともに雪が締まり、固くなった状態。
- 堅雪(かたゆき):一度溶けかけた雪が冷えて再び固まり、表面がかたくなった状態。
- 粗目雪(ざらめゆき):日中にとけた雪が夜間に凍り、表面がザラザラになった雪。
- こしまり雪:新雪が数日経ち、結晶が壊れて柔らかく締まり始めた状態。
- 冠雪(かんせつ):山頂や樹木の上などに帽子のように積もった雪。
- 宿雪(しゅくせつ):前に降った雪が溶けずにそのまま残っている雪。
- どか雪:短時間で一気に大量に積もる雪。交通や生活に支障を来しやすい。
- 雪持(ゆきもち):木の枝や葉の上に雪が積もっている様子。
- 綿帽子雪(わたぼうしゆき):木々や屋根の上に綿帽子のようにふんわり積もった雪。
- 撓雪(しおりゆき):雪が木の枝などを撓ませるほどに積もった状態。
- 垂り雪(しずりゆき):積もった雪が屋根や枝から重みで落ちる様子。
- 雪崩(なだれ):斜面に積もった雪が崩れて一気に流れ落ちる自然現象。
- 吹き溜まり(ふきだまり):風に吹き寄せられて一箇所に大量に積もった雪。
- 友待つ雪(ともまつゆき):次の雪が降るまでじっととけずに残る健気な雪の比喩。
- 衾雪(ふすまゆき):一面を布団(衾)のように覆いつくす積雪。
- 松の雪(まつのゆき):松の枝に美しく積もった雪。風景描写などに使われる。
3. 雪が降る季節や時期を表す美しい日本語とは?
「初雪」や「名残雪」など、雪の降る時期を表す言葉には、日本人の季節感や感情が深く表れています。季節の移ろいを繊細に表現するための語彙として、俳句や短歌、随筆などでも古くから親しまれてきました。
- 初雪(はつゆき):その年に初めて降る雪。季節の訪れを実感させる風物詩。
- 早雪(そうせつ):例年より早く降る雪。冬の始まりを告げる兆しとされる。
- 初冠雪(はつかんせつ):秋から冬への移ろいの中で、山に初めて雪が積もること。
- 名残雪(なごりゆき):春が近づいた頃、季節を惜しむように降る雪。
- 残雪(ざんせつ):春になっても地面に残っている雪。高地や日陰に見られる。
- 去年の雪(こぞのゆき):春を過ぎてもなお解けずに残る、前の冬に降った雪。
- 根雪(ねゆき):一度積もると長く残り、春まで解けない雪。
- 万年雪(まんねんゆき):高山や極地などに一年中残る雪。富士山などで見られる。
- 春の雪(はるのゆき):暦の上では春なのに降る雪。柔らかく湿った雪が多い。
- 終雪(しゅうせつ):その年の最後に降る雪。春を迎える前の締めくくりとなる。
- 涅槃雪(ねはんゆき):春の彼岸頃に降る、季節の終わりを告げるような雪。
- 雪の果て(ゆきのはて):その年の雪の締めくくりとなる最後の雪。
- 忘れ雪(わすれゆき):春を迎えたと思った矢先に降る、忘れた頃の雪。
- 雪消し雪(ゆきけしゆき):雪の季節の終わりに降って、とけ残った雪を洗い流すような雪。
- 秋雪(しゅうせつ):まだ冬を迎える前、秋に降る珍しい雪。
- 臘雪(ろうせつ):旧暦12月に降る雪。歳末の冷え込みを象徴する言葉。
- 三白(さんぱく):正月三が日に降る雪。新年の清らかさを表す。
- 八日吹き(ようかぶき):12月8日に吹雪になることが多いとされる季節の言い伝え。
- 雲雀殺(ひばりころし):春になりヒバリがさえずり始めた頃に降る大雪。
コメント