黒という色には、強さや重さだけでなく、静けさや奥行き、品のある美しさが宿っています。
夜の闇、影の濃淡、墨や漆の質感――日本語には、そうした黒の印象を繊細に映し出す言葉が数多く存在します。
一見すると暗く感じられる表現の中にも、落ち着きや余白、精神性を感じさせる語があり、文章や創作の中で独特の深みを与えてくれます。
この一覧では、実在する日本語に限定し、黒をイメージさせる言葉を意味とともに紹介しています。
黒を表す美しい日本語 一覧
ここで紹介している名前は、創作・文章表現のヒントとして気軽に楽しんでいただくことを目的としています。意味や由来には複数説があるため、興味があればご自身でも調べてみてください。背景を知るほど名前選びはもっと楽しくなります。
※正しい発音・意味等は辞書などでご確認ください。
1. 黒を直接的に表す色名・色関連の言葉
黒そのものや、深さ・艶・にじみといった質感の違いまで含めて表せる語を集めました。伝統色や素材由来の語は、文章やネーミングにも馴染みやすいのが特徴です。
- 墨色(すみいろ)
墨のように柔らかく落ち着いた黒。 - 玄色(げんしょく)
玄(くろ)の色。深い黒の色調を指す。 - 烏黒(うこく)
カラスの羽のような、青みを含む黒。 - 黒鳶(くろとび)
鳶色をより暗くしたような、黒みの強い茶色。 - 黒橡(くろつるばみ)
橡(つるばみ)染めの深い暗色。黒みを帯びた渋い色合い。 - 檳榔子黒(びんろうじぐろ)
檳榔子(びんろうじ)で染めた黒。渋みのある暗色。 - 黒檀(こくたん)
黒檀のような深い黒。素材名としても色味としても使われる。 - 黒曜石(こくようせき)
火山ガラスの一種。黒い光沢を持つ石。 - 黒炭(くろずみ)
黒い炭。黒の比喩にも使われる。 - 黒土(くろつち)
黒みの強い土。地の暗さを思わせる語。 - 黒点(こくてん)
黒い点。小さな黒の目印として使われる。
2. 夜・闇・影の言葉
光の届かない時間や空間、陰影の気配をまとった語を集めました。静けさ、緊張感、奥行きなど、黒の情緒を文章にのせたいときに使いやすい言葉です。
- 暗闇(くらやみ)
光がなく、真っ暗な状態。 - 暗黒(あんこく)
光のない闇。比喩としても用いられる。 - 常闇(とこやみ)
いつまでも続く闇。永い暗さのイメージ。 - 黒夜(こくや)
深く沈んだ夜。闇の濃さを強調する語。 - 宵闇(よいやみ)
夕暮れから夜に入る頃の薄暗さ。 - 幽暗(ゆうあん)
ひっそりとした暗さ。静かな闇。 - 幽闇(ゆうやみ)
奥に気配を残すような暗さ。 - 暗影(あんえい)
暗い影。陰の部分そのものを指す語。 - 陰影(いんえい)
光と影がつくる濃淡。立体感や深み。 - 暗雲(あんうん)
暗い雲。重い気配の比喩にも。 - 暗澹(あんたん)
どんよりと暗いさま。気分や状況にも使う。 - 影(かげ)
光が遮られてできる暗い部分。 - 影法師(かげぼうし)
人の影。影が人の姿のように見える表現。 - 闇路(やみじ)
闇の中の道。先の見えない道行きの比喩。

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