黒という色には、強さや静けさ、そして言葉にしづらい深みがあります。
明るさとは正反対にありながら、人を惹きつけ、物語や心情に重みを与える色でもあります。
日本語には、そんな黒の印象を的確に映し出す言葉が数多く存在します。
闇や夜を表す語、威厳や孤高を感じさせる熟語、妖しさや禁忌を帯びた表現まで、その幅は驚くほど豊かです。
ここでは、実在する日本語の中から「黒」をイメージさせるかっこいい言葉を分野ごとに紹介します。
創作やネーミングのヒントとしてはもちろん、言葉そのものの響きや背景を味わう読み物としても楽しめる内容です。
黒を表すかっこいい言葉 一覧
ここで紹介している名前は、創作・文章表現のヒントとして気軽に楽しんでいただくことを目的としています。意味や由来には複数説があるため、興味があればご自身でも調べてみてください。背景を知るほど名前選びはもっと楽しくなります。
※正しい発音・意味等は辞書などでご確認ください。
1. 闇・暗黒・夜を連想させる黒|光の届かない深さと境界の気配
闇や夜、薄明かりの時間帯など、黒の「根源的な暗さ」を感じる言葉を集めます。暗い空間そのものを指す語だけでなく、夕暮れの移り変わりや、見分けがつかなくなる境目の時間を表す語も含めると、黒の表現に奥行きが出ます。
- 闇(やみ)
光が乏しい状態。暗さそのものを表す基本語。 - 暗闇(くらやみ)
目に見えないほどの暗さ。 - 真暗闇(まっくらやみ)
完全な暗闇を強調する言い方。 - 暗黒(あんこく)
光のない闇。重い響きのある語。 - 黒闇(こくあん)
黒く深い闇を表す語。 - 黒暗(こくあん)
古風な「黒い闇」の表現。 - 常闇(とこやみ)
いつまでも続く闇。神話・文学でも使われる語。 - 常夜(とこよ)
いつも夜であること/常闇の意でも用いられる語。 - 常夜(じょうや)
夜の間じゅう続く状態、または昼も夜のように暗い状態。 - 宵闇(よいやみ)
日が沈み、夜へ移るころの闇。 - 宵(よい)
夕方から夜にかけての時間帯。 - 宵の口(よいのくち)
夜の始まりのころ。宵の入口。 - 黄昏(たそがれ)
夕方、薄暗くなる時間帯。 - 黄昏時(たそがれどき)
夕暮れのころ。見分けがつきにくい時間帯。 - 薄暮(はくぼ)
日暮れの薄暗さ。黄昏の別名として扱われる語。 - 日暮れ(ひぐれ)
日が暮れるころ。夜の気配が増す時間。 - 逢魔時(おうまがとき)
夕方の薄暗い、昼と夜の移り変わる時刻。 - 逢魔が時(おうまがとき)
「逢魔時」と同義表記。怪異に遭うとされた境目の時刻。 - 大禍時(おおまがとき)
逢魔時の別名。大きな災いの時刻という表記。 - 冥暗(めいあん)
暗いこと、暗がり。 - 冥闇(めいあん)
「冥暗」と同様に、暗がり・暗闇。 - 幽暗(ゆうあん)
暗く、かすかな闇。 - 幽闇(ゆうあん)
「幽暗」と同様に、暗くぼんやりした闇。 - 幽冥(ゆうめい)
かすかな暗さ/死後の世界を指す語としても用いられる。 - 暗晦(あんかい)
暗いこと、また暗く曖昧な状態。 - 晦冥(かいめい)
暗くなってはっきりしないこと/あたりが暗くなること。 - 冥漠(めいばく)
暗くて遠く、はっきり見えないこと。 - 冥邈(めいばく)
「冥漠」と同様に、暗くて遠いさま。 - 虚無(きょむ)
何もないこと。心象としての闇を表す語に寄る。 - 無明(むみょう)
無知・煩悩による心の暗さを指す仏教語。 - 那落(ならく)
地獄・奈落。底のない暗さの比喩に使われる。

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