3:寒さを感じることば
冬の厳しさを感じさせる「寒さ」そのものを描いた表現。凍てつく空気、しばれる朝、吐く息の白さなど、五感で感じる寒さの描写が中心です。
- 寒し(さむし)
基本的な寒さの表現。古語でもよく使われる、冬を象徴する言葉。 - 凍(こご)える
寒さで体が震える、感覚が失われそうになる様子。 - しばれる
特に東北・北海道で使われる「厳しく冷える」こと。方言からきた風情ある表現。 - 息白し(いきしろし)
吐く息が白く見えること。寒さの象徴として俳句にもよく登場。 - 凍風(とうふう)
冷たく刺すような風。冬の厳しさを肌で感じる。 - 冴ゆ(さゆ)
寒さで空気や物音が冴え渡る。清澄さや鋭さを感じさせる古語。 - 寒気(かんき)
冷たい空気、または冷気が肌を刺すように感じられること。 - 凍空(いてぞら)
凍てつくような寒さを帯びた空。静けさと張りつめた緊張感が漂う。 - 身にしむ
寒さが身体だけでなく心にまで染みるような感覚。 - 寒風(かんぷう)
身を切るような冷たい風。冬の到来を知らせる風でもある。 - 霜夜(しもよ)
霜がおりるほど冷え込んだ夜。静寂と冷気が混じり合う時間。 - 冷え込む(ひえこむ)
気温が急激に下がること。夜や朝方によく使われる表現。 - 凍りつく(こおりつく)
すべての動きが止まるように感じられるほどの寒さ。 - 冷たし(つめたし)
手で触れたときの冷たさ。情緒的にも人の心の冷たさに使われることも。 - 寒の入り(かんのいり)
暦の上で最も寒い時期の始まり。小寒を迎える日をさす。
4:冬の空と光
澄みきった冬の空、夕暮れの美しさ、月の冴えなど、空と光の変化を言葉にした表現を扱います。冬は空気が澄むため、星や月の美しさが際立ちます。
- 冬空(ふゆぞら)
澄み切った冷たい空。青く高く、どこか寂しさを伴う景色。 - 星冴ゆ(ほしさゆ)
寒さで星がより輝いて見えること。空気が澄む冬ならではの美しさ。 - 冴え渡る(さえわたる)
空気や光がくっきりと明瞭に見える様子。冬の朝や夜に多く使われる。 - 霜月夜(しもづきよ)
霜が降りる夜と月明かりの組み合わせ。幻想的な情景。 - 冬の月(ふゆのつき)
冴え冴えとした冷たい光を放つ月。孤高で神秘的な雰囲気を持つ。 - 冬日和(ふゆびより)
穏やかで風のない冬の日。まれに訪れる心地よい天候。 - 白光(はっこう)
雪に反射して白く広がる光。空間全体が明るくなる様子。 - 冬の夕焼け(ふゆのゆうやけ)
空気が澄んでいるため赤や紫がより鮮やかに見える夕方の空。 - 寒昴(かんすばる)
冬の星座「昴(すばる)」のこと。寒さの中で一層輝く星の群れ。 - 冬の朝(ふゆのあさ)
霜が光り、空気が澄み切った早朝の景色。張りつめた静けさがある。 - 光の粒(ひかりのつぶ)
冬の朝に霜や雪が日光に照らされ、きらきらと輝く様子。 - 冬の雲(ふゆのくも)
灰色で低く垂れ込める雲。重々しい冬の空気を感じさせる。 - 冬の星空(ふゆのほしぞら)
空気が澄んで見える、くっきりとした星たちの輝き。 - 月冴ゆ(つきさゆ)
冬の月が特に冷たく、はっきりと輝く様子。古典和歌にもよく登場。 - 冬光(ふゆびかり)
冷たいながらも透明感のある冬の光。清らかで静謐な印象を与える。
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