「こんこんと降る雪」「名残雪」「六花」…。
日本語には、雪の降り方や種類、積もり方、季節ごとの姿を繊細に描く美しい言葉が数多く存在します。
ここでは、雪にまつわる87種類の語彙を情景や意味とともに紹介します。
「粉雪と牡丹雪の違いは?」「俳句や物語に使える雪の異名が知りたい」「子どもにも伝えたい日本語の美しさを探している」——
そんな方に言葉の意味や読み方を紹介します。
教育や季節感の学び、表現の豊かさを広げるために、今こそ知っておきたい“雪の言葉”。
あなたの心に響く、美しい日本語を見つけてください。
美しい雪を表す言葉
1. 雪の種類や状態の名前とは?
粉雪や牡丹雪など、雪は一言で語れないほど多様な姿を持ちます。粒の大きさや質感、水分量によって呼び名が変わり、それぞれに繊細な意味や情景が込められています。このカテゴリでは、降る雪そのものの性質を表す日本語の表現を取り上げ、自然観察や文学的表現に活かせる語彙を紹介します。冬の情景を描写したい人に最適です。
- 粉雪(こなゆき):粉のように細かくさらさらとした雪。水分が少なく積もりにくい。
- 小米雪(こごめゆき):米粒のように小さく、乾いてさらさらした雪。粉雪に近い質感。
- 粒雪(つぶゆき):粒状の雪。結晶が崩れて丸まったような状態で、比較的積もりやすい。
- 霧雪(きりゆき):霧のように細かく、空気中をふわふわと舞う雪。視界を曇らせることがある。
- 牡丹雪(ぼたんゆき):花びらのように大きくふわふわした雪。気温が高めの時に降りやすい。
- 綿雪(わたゆき):綿をちぎったような柔らかく大きな雪。湿度が高いときに降る。
- 餅雪(もちゆき):もちのように重く、べたつきのある雪。木の枝などに付きやすい。
- 灰雪(はいゆき):灰が舞うように静かに降る雪。視覚的にやわらかな印象。
- 花弁雪(はなびらゆき):雪片が花びらのように大きく、ひらひらと舞い降りる雪。
- 淡雪(あわゆき):泡のようにやわらかく、ふんわりとした雪。地面に落ちるとすぐに溶ける。
- 沫雪(あわゆき):泡立つように降る雪。淡雪と同義として扱われることが多い。
- 玉雪(たまゆき):球状の小さな雪。水分を含みながら丸く固まっていることが多い。
- べた雪:水分が多く、手で握ると固まりやすい雪。雪だるま作りに適している。
- 濡れ雪(ぬれゆき):非常に湿った雪。地面に落ちるとすぐに解けてしまうこともある。
- 湿雪(しっせつ):気温が高めのときに降る、水分を含んだ重たい雪。
- 水雪(みずゆき):べた雪よりさらに水分が多く、雨に近い状態の雪。みぞれの手前とも言える。
- 乾雪(かんせつ):水分が非常に少ない、さらさらとした乾いた雪。寒冷地で見られる。
- 氷雪(こおりゆき):雪が凍りついて硬くなったもの。氷に近い性質をもつ。
- 霰(あられ):直径5mm未満の氷の粒。白色の場合は雪あられ、透明なら氷あられと呼ばれる。
- 雹(ひょう):霰よりも大きい氷の塊。強い寒気と積乱雲を伴う天気で発生しやすい。
- 驟雪(しゅうせつ):急に激しく降る雪。積雲や積乱雲に伴って短時間で降ることが多い。
- 回雪(かいせつ):風に舞うように回転しながら落ちてくる雪。視覚的な動きが特徴。
- にわか雪:突然降り出し、すぐに止む一時的な雪。にわか雨の雪版。
- 吹雪(ふぶき):強風を伴って雪が激しく舞い、視界が遮られるほどの状態。
- 豪雪(ごうせつ):広範囲にわたって非常に多く降る雪。生活や交通に大きな影響を与える。
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